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また、明日ね

13 否定

12
類は、良の服を着せられ、車で奥多摩の山中へ連れて来られていた
頭から被せられていた黒い布袋は取り外され、代わりに目元と口にガムテープを貼られている
両手は後ろ手に、両足も紐でしっかりと縛られ、ワゴン車の後ろに横たわっている

「おい、、連絡はまだか?」
「まだだ」

「無事、家の中には入れたのか?」
「病院から、そのまま邸の中に入る姿はチェック済みだ」

「じゃあ、、もうそろそろか?」
「だと思うが、、」

仲間たちは、後ろの席に視線を向ける
そこには、今もぐっすりと眠っている類の姿がある

「こいつが目覚めるまでに、持ち出せれば良いんだけどな」
「あぁ、、それが一番なんだが、、」

ボソボソと話をする仲間達
だが、既に類が起きている事には、未だ気付いていなかった



類は、ほんの数分前に意識が覚醒し始めていた
だが、起きていると分かると何をされるか分からない
その為、こうして寝たふりを決め込んでいた

少なくとも、今の自分の状況では、抜け出す事も出来ない
それにここがどこかも判らない

ただ、犯人の目的は、金品だと分かった
そして、このままお金を盗むことが出来れば、無事に解放される事も分かる

そうしながら、、
これからどうすれば良いか、、と、考え始めていた






つくしは、花沢邸を出た所で、三人に声をかけた

「あのね、、なんか、、類の様子がおかしいと思わなかった?」
「はっ? お前、何を言って、、」

司は、すぐに突っ込みを入れる
だが、つくしの表情は真剣そのものだ

「普通だろ? そりゃ記憶が無い分、所在なさげにも見えたけどよ」
「あぁ、、口数の少なさも、いつも通りだしさ」

あきらと総二郎は、何も不思議に思っていないことが分かる
そして、司も、、

「顔も少し腫れていたから、違う印象を受けたんじゃねえか?」

三人の言葉に、つくしは黙り込む
自分が違うと感じたのは、容姿の事ではなく雰囲気だ
それをどう説明しても、納得してもらえないだろうし、、
決定的な違いも、、たぶんこの人たちには分かって貰えないだろう

「じゃあな、司! 牧野!!」
「せっかくのホワイトデーなんだし、楽しめよ!!」

「おっ//// おう/////」
「えっ? もう帰るの?」

「あったりまえだろ! 類の状態も、それほど心配する物じゃねぇし」
「俺達も、わざわざお前たちの恋路を邪魔するような無粋な真似はしねぇよ」
と、二人はウインクし、片手をあげて帰って行く

「ほれっ、、俺達も行くぞ」
「うん、、って、、どこに?」

「そりゃ、俺の家に決まってるだろ! ほらっ、行くぞ」
「あっ、、」

司は、強引につくしを車に乗せる
そして、まっすぐ道明寺邸へと向かった

車中でも、つくしは先ほどの類の事を考えていた
その為、真剣な表情になり無口だ

そんなつくしの姿は、今夜の事で緊張しているように司には映る

「あのよぉ、、別に、好き同士なら、、、そのっ、、普通の事だろ? 
何もそんなに真剣に考えなくても、俺に全部任せてくれれば、、
そっ、、そりゃ、、途中で暴走するかもしれねぇけど、、でも、出来るだけ頑張るし、、」

司は、小声で必死につくしに語りかける
もちろん、、そんな司の言葉など、つくしの耳には届いていなかった



車は、道明寺邸に到着し、玄関前に使用人が整列し二人を出迎える
その一番端にタマがいた

「つくし、久しぶりだねぇ。 元気だったかい?」
「あっ、、タマ先輩。 お久しぶりです」


真っ先につくしに挨拶するタマに、司は苦笑いだ

「タマ、、俺は無視かよ!」
「坊ちゃんは、元気と分かっていますからね。 
それよりつくしの方が、いろいろと無茶をしそうで、あたしゃ心配なんだよ」

その言葉に、今度はつくしが苦笑いだ

「大丈夫です。 無茶と言う程、無理はしてませんから」
「そうかいそうかい。 で、今日はここで夕食かい?」

「おっ、そうだった。 今夜は、こいつもここに泊まらせるからよ」
「えっ! あたしは泊まるなんて一言も言っていないんだけど!!」

「バッ/// バカか! ホワイトデーと言う日は、恋人が愛を語り合う日なんだぞ!
俺に恥をかかせるなよ!!」
「はっ? 誰がそんな事決めたのよ! あんたおかしいんじゃない? 
ホワイトデーは日本の企業が勝手に考えた日でしょ? 
それに、今の今まで放ったらかしで、今年に限ってそんな事言うなんて有りえないでしょ!!」

余りにも露骨な表現に、つくしも黙ってはいられない
それに、愛を語り合うという事は、それを前提としている
そんなデリケートな事を、こんなに沢山の使用人がいる中で口にするデリカシーの無さにも呆れ返る
その為、つくしも大声で全否定する

それを、タマがビシッと諫める

「坊ちゃん。 そりゃ、言い方がおかしすぎやしませんか? 
恋人が愛を語り合う日と言うのなら、クリスマスの方がムード満点ですよ? 
それを、ホワイトデーと言う中途半端な日に無理やり合わせても、坊ちゃんが盛っているだけの様にしか見えませんがねぇ」
「うっせ~~!! 黙ってろ!!」

司は、真っ赤になりながら、この口の達者な使用人に怒鳴る
だが、タマも慣れた物だ
そういう事ぐらいで、動じたりしない

「そりゃ、いろいろと理由をつけて、つくしとチョメチョメしたい気持ちもわかりますけどね」
「先輩、、チョメチョメって/////」

今度は、つくしが真っ赤になる
ズバリとその言葉を告げるのではなく、遠回しに告げられるのもかなり恥ずかしい物だ

「まっ、、良い機会なんじゃないですか? 
坊ちゃんも相当溜まっているだろうし、無理やり理由づけしてまでも、やりたいって言う気持ちは大切ですからねぇ。
じゃ、つくしの部屋はいらないね。 寝間着だけ、、おっと、その寝間着もいらないのかねぇ。
夕食は、シェフに頼んで豪華な料理にしてもらおうかねぇ。 あれは体力も使うからねぇ。」
「タマ先輩!!//////」

つくしは、真っ赤になりながらタマを諫める
司は、耳まで真っ赤に染め、何も言えないと言った感じだ
タマは、そんな若い二人を目を細めて見ていた




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12 Comments

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2018-03-05 09:20

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Re: ノエ様

りおりお  

2018-03-05 09:33

こんにちは

つくしちゃんは、自分の違和感をF3に伝えたものの、一蹴されました
きちんとした証拠でもあれば良かったのですが、それが無いですからね

それに、類君の怪我も大したことが無かったし…
司くんとしては、つくしちゃんとのこれからに、気持ちは行っています

偽物も、本来の目的は後回しになり、あこがれの人との逢瀬しか頭にありません
本来ならば…そろそろ類君が解放されていたはずなのに…

さて…どうなるのか?
明日もお楽しみに〜

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2018-03-05 09:58

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2018-03-05 10:05

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Re: てる〜様

りおりお  

2018-03-05 10:14

こんにちは

類君…頑張って!
でも…つくしちゃんの言葉を誰も聞いてくれません
そして…司くんに押し切られる形で、道明寺邸に
ピンチです!

どうする?
とうなる?

明日もお楽しみに〜

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Re: ゆきり〜様

りおりお  

2018-03-05 10:17

こんにちは

つかしちゃんの意見に誰も耳を貸しません
記憶喪失だし、顔も腫れている事から、少しの違和感もそのせいだ!と言われてお終いです
何か、決定的な証拠でもあれば良いのですが…

司くんも、今はつくしちゃんとの一夜で占められています
時間もあまり無いですしね

さて、つくしちゃんはどうする?
類君は、このまま様子を見守る?

明日もお楽しみに〜

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2018-03-05 13:20

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Re: り〜様

りおりお  

2018-03-05 13:34

こんにちは

F3には、違いが分かりませんでした
まあ…記憶喪失だし顔も腫れている
多少の違いは、その所為だろうと…

つくしちゃんも、ここが違う!と、ハッキリ言えません
確固たる証拠がありませんからね

さて…そんな中、司くんに連れられて道明寺邸に行きました
司くんはやる気満々
もちろん、つくしちゃんとの未来の為に頑張ってきたんですから分からなくもない

どうなるのでしょうね

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2018-03-05 15:36

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りおりお
Re: り〜様

りおりお  

2018-03-05 16:21

質問の件ですが、こちらの話をヤフーブログには持って行きません
ヤフーブログの作品は、全てこちらに持ってきます
今、少しずつ移動させアップしている段階です
連載と移動が重なりなかなか作業が捗りません
連載が終われば、取り敢えず移動作業を進めます
ヤフーブログは、今の所閉じる予定はありませんが、β化になるとどの様な形態でお話がアップされるのかも分からない状態です
(ヤフーからは全然お知らせが無いので…)
ですので…こちらに来れば全ての作品が読めるようにしますね
カテゴリーだけは全て移し終えています
ただ…何故か『青い空』の所に『空は青色』が入っていますね
それも…直していきます
もう少しお待ち下さいね(*_ _)ペコリ

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2018-03-05 17:11

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Re: おち〜様

りおりお  

2018-03-05 17:48

こんばんは〜

誰もつくしちゃんの話に耳を傾けません
司くんなんて、やる事しか頭に無いし!
まあ…分からなくもないけれどね
その為に頑張ってきたんでしょうから

類君も、冷静に状況判断しています
どうすればよいか…逃げ出せるのか?…

でも…誰かが助けに行かないと!
なんてすけどねぇ…

明日もお楽しみに〜

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