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また、明日ね<完>

18 剣幕

8
つくしが早い時間に帰宅した事に、家族は驚く
進から、司と共にでかけた事は聞いていた
そのすぐ後、類が料理とケーキを届けに来た事も

本来、司の恋人なのだから、類ではなく司と出かけるのは尤もな事だし、久しぶりに会う司との時間を楽しみ、帰宅は深夜になるだろうと思っていた

「どうしたの? こんなに早く、、」
「てっきり、夜中になると思っていたんだが、、」
「道明寺さん、また仕事に行ったとか? って言うか、別れたってどういう事?」

つくしは、どう伝えようか悩む
ただ、これ以上期待されても困る

「ごめん。 道明寺とはきっぱりと別れてきた」

「「「えっ!!」」」

三人は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔でつくしを見つめる
その視線を無視し、机の上の料理を見る
既に三人の腹を満たしたにもかかわらず、まだ大量の料理が残されている

「これ、、食べるね」
「えぇ、、構わないけど、、」

つくしは、ストンと腰をおろし、無言で料理を手にする

生ハムやスモークサーモンなどのオードブル
ローストビーフに伊勢海老のチーズ焼き
サンドイッチに手毬寿司

どれもとても美味しい

「あっ、、ケーキも残ってるけど、、食べる?」
「食べる」

美味しい料理を口に運びながらも、この沢山の料理を運んでくれた類の事を思う

今頃、、どうしているんだろうか?
温かい部屋にいるんだろうか?
何か食べているんだろうか?
怪我とかしていないだろうか?

黙々と料理を食べるつくしは、何も話しかけるな!と言う鬼気迫るものがある
その為、家族の者は何も聞けないのだが、、

「ねぇ、、進」
「何?」

突然のつくしの問いかけに、進はビクッと体を震わせ身構える

「類が来た時、、普通だった?」
「電話でも聞かれたけど、特に変わった所は見あたらなかったけど、何かあった?」

「うん。 類が事故に遭った」
「「「えっ!!」」」

三人は、再び驚く
そして今度は、堰を切ったように、矢継ぎ早につくしに問いただす

「どうしてそういう事を早く言わないのよ!!」
「そうだぞ! 大変じゃないか! こんな所で呑気に食事をしていていいのか?」
「お見舞いは? 入院しているの? 怪我の具合は?」

その三人の剣幕に、つくしの方が驚くほどだ

「なんで、、皆そんなに驚いているの?」
「なんでって、、類さんが事故に遭ったんでしょ? これが驚かずにいられる?」
「そうだぞ、、それでどうなんだ? 類さんの怪我の具合は」

「うん、、頭を打っているんだけど、脳波に異常はないし骨折もしていない」

それを聞き、三人はホッと安堵する

「でも、今はちょっと記憶が曖昧って言うか、記憶喪失になってる。 
それも一過性の物で、すぐに戻るだろう、、って」

「事故によるショックかしらねぇ。 じゃあ今頃は、思い出している頃かもしれないわね」
と、怪我が軽かったことにホッと安堵の色を見せる

その姿に、家族にも自分の考えを伝えてみようか?と考える
類の事をこれだけ心配している家族なら、、あたしの考えに賛同してくれるかもしれない

「あのね、、それでね、、」

うんうん、、と三人は、つくしの話に耳を傾ける

「その類なんだけど、、別人みたいなの」
「そりゃそうでしょ。 記憶を失くしているんだから」

「いや、そうじゃなくてね、、類らしくないって言うか、、他の人が類に成りすましているのよ」
「そりゃ、記憶を失くしているんだから、いつもと違う言動になる事もあるだろう?
何をバカな事を言っているんだ?」

「それに、類さんにはSPのような人がいるんじゃないの? そんな人と、どうやって入れ替わるのよ」

その言葉に、つくしはハッとする
今まで、SPの存在を忘れていた
確かに、SPがいたならば、入れ替わることは不可能だ

「記憶を失くしているから、つくしには別人に見えたんじゃないのか? 
自分がどこのだれかも判らずに不安だろうし、表情もいつもと変わるだろうし」

そうなのだろうか?
でも、記憶を失くしていたにもかかわらず、静さんの事だけは覚えていた
これは、どう考えても説明がつかない

『類は、記憶が無くても、心の奥底にあったのは静の事だけだったっつう事だろ!! 
それをお前は認めたくねぇんだよ!! だから、類は偽物だと思い込もうとしてんだよ!!』

再び司の言葉が脳裏をよぎる

違う
絶対に違う

そう思うのに、高校生の頃、カナダの道明寺の別荘へ行ったときの二人の姿が蘇る
静さんが突然やって来て、暖炉のある部屋で、類と一緒にいる姿

あの時、、
絵になる二人だと思った
フランス映画のワンシーンのような感じがした

そして、あの時はあまり胸が痛まなかった

でも、、今は、、
静さんが類の頬に振れただけで、胸が締め付けられそうに痛んだ

やっぱり、、
あたしはいつの間にか、再び類に恋していたんだ
それをこういう形で気づくなんて、、

あいつに悪い事したよね、、、
でも逆に感謝かな、、
あたしにその事を教えてくれたから、、



その夜、、
進が小声で話しかけてきた

「姉ちゃん、、あのさ、、どうして類さんが偽物だと思うの?」
「進?」

「あのさ、、姉ちゃんがそう感じるなら、その人は偽物かも知れないと思う」
「なんで?」

「だって、、道明寺さんと別れたのって、この件なんだろ? 
道明寺さんよりも、類さんの事が気になるんだよね? 
道明寺さんと別れても類さんを選ぶくらい、好きなんだろ? 
その姉ちゃんが、事故に遭った類さんに、どこか違和感を感じるなら、たぶんその類さんは偽物だよ」

つまりは、愛の深さと言いたいのだろうか?
それでも、ここに信じてくれる人がいたという事は、かなり心強い

つくしなりの疑問点を進に話し聞かせる
その話を、笑い飛ばすでもなく真剣に耳を傾ける進
そして、、

「なるほどね。 記憶を失くすという事で、周りの人間関係を知らなくても上手く潜りこめるもんね。 
でもなんで、入れ替わる訳? かなり大胆だよ?」
「その辺は良く分からないけど、、類の家はお金持ちだから、お金目的?」

「つまり、泥棒って事だね」
「まあ、早い話がそうなるかな?
でもね、、記憶喪失の演技をしている偽物が、静さんの事だけは知っていたの。 これってどうしてだと思う?」
「静さん?」

進が頭を傾ける
その為、つくしは携帯を取りだし、写真が残っていないか調べ始めた
そのつくしの目の前に、進がスマホを見せる

「この人?」
「えっ?」

どうやら、つくしが写真を探している間に、進が検索をしていたようだ
そこには、モデル時代の静の写真が載っている

「あっ、そうそう」
と返事をしながら、二人はピタッと視線を合わせる

「モデルをしていたのよ! 静さんは!!」
「かなり有名だったみたいだね。 案外、この人のファンだったとかじゃない?」

これで、静さんの謎が分かり、つくしはファインプレーの進に感謝する

「ありがとう。 ほんとにありがとう」
「いや、、でも、これで類さん偽物説が濃厚になったんじゃない? 
誰か他に、姉ちゃんの味方になってくれる人はいないかな?」

つくしの頭に浮かぶのは、お祭りコンビの二人なのだが、その二人には既に笑い飛ばされている
でも、、この二人が協力してくれたら、真実が明らかになるはず、、

類が偽物なのか、、、本物なのかが、、



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8 Comments

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2018-03-10 09:27

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2018-03-10 09:46

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2018-03-10 10:40

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りおりお
Re: ノエ様

りおりお  

2018-03-10 11:12

こんにちは

進、グッジョブですね

つくしちゃんの言う、類君が偽物説を笑うでもなく信じてくれました
それはやはり、つくしちゃんの類君への思いと言う物を間近で見ているからでしょう

そして、静さんの謎も解けました
偽物説が強まったのですが、進君だけではそれを暴けませんよね?
誰かもっと強い協力者が欲しい所です

類君、、もう少し頑張って
つくしちゃんも頑張ってるよ

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2018-03-10 11:15

こんにちは

進君、、ほんとお姉ちゃん思いですね
と言うか、この姉弟はかなり仲が良い

私には兄がいるのですが、これがまた、、かなり仲が悪い(笑)
だから、こんな姉弟に憧れます

進君のナイスアシストで、静さんの疑問も晴れました
そして、偽物説がにわかに本物と確信できたようです

でも、本物の類君を見つけるにはまだ協力者が欲しいですね
類君も、頑張って欲しい所です
つくしちゃんは、類君の事が好きだし、司君とは別れたよ~~と伝えて励ましたいぐらいですね

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りおりお
Re: ゆきた~様

りおりお  

2018-03-10 11:17

こんにちは

そうなんです
進君ナイス!です

そして、これで偽物説に信憑性が生まれたのでは?
これを誰かに話して、取り敢えず協力して貰いましょう

類君も頑張って!!
つくしちゃんは、司君と別れたんだよぉ
それに、類君の事が好きなんだよぉ、、
と伝える事が出来れば、凄く頑張れると思うんですけどね

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2018-03-10 12:19

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-03-10 13:27

こんにちは

進君は、つくしちゃんの話を信じました
それは、ずっと昔から姉の思いを知っていたからでしょうね
そんな姉が違和感を感じているんだから、花沢邸に居る類君は違う人?と、、

そして、進のナイスアシストのおかげで、静さんの謎が解けました
これでつくしちゃんも、自信がついた事でしょう
後は誰か味方になってくれる人を見つける事ですよね
さて、誰かつくしちゃんの話に、耳を傾けてくれるでしょうか?

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