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また、明日ね<完>

20 一蹴

12
深夜になり、つくしは布団に入ったところだった

明日の朝にでも、美作さんに相談してみようか?
F4の中では、一番の常識人で頼りになる人だ
きちんと話を聞くぐらいはしてくれるだろうし、納得をしてくれれば協力してくれるだろうし、矛盾点があれば諭してくれるはずだ
うん、、そうしよう

そんな時、、携帯電話が鳴りはじめた
相手は、、美作さん?

「はい」
『あっ、牧野か? 俺だけどよ、、類の事について教えてくれねぇか?』

どうしたんだろう?
類の家を訪問したときは、あたしの話を一蹴したのに、、
それに、こんな時間に電話を掛けるような人じゃない
もしかして、道明寺が何か言った?
でも、、美作さんが耳を傾けてくれるのなら、これほど心強い事は無い

つくしは、自分の感じた違和感を素直に述べる

「あのね、、ほんの些細な事なんだけど、、
記憶の無い類なら、あたしたちを見た時に睨みつけると思うの。 でもそれが無かった。
美作さん達がバカ騒ぎしている時も、何も言わず聞いていた。 
でも、いつもの類なら『うるさい』とか『一人になりたいから出ていって』とかって、自分の時間を持ちたがると思うの。 
それに、前傾姿勢で話を聞いたりしない。 
疲れもピークだろうし、少しでも楽な姿勢って言ったら、両手を後ろについて反りかえる姿勢だと思う。 
だっていつもそうやっていたから。
それに、類の車にイタズラした犯人を庇うような、、なんて言うのかなぁ、そんなに大事にしたくないような、、
そんな言い方をしてた。
普通なら、皆が憤っていても知らん顔してると思う。それこそ、すきにすれば?って感じ?
後、、言葉の間?が違うような気がする。」

否定することなく、キチンと聞いてくれるあきらに、つくしも自分の想っている事を全て告げる
それを聞いていたあきらは、そのどれもがほんの些細な点で、記憶が失い為そうなっていると言っても過言ではないくらいの疑問点に、直ぐに頷く事が出来ない
つまり、決定的な証拠が何一つないのだ

つくしの話を聞き、あきらは司の心情を思う
確かに、これを司が聞いたとしたならば、怒りだすのも無理はないだろう
そして、これほど細かに類を観察している牧野に対し、言いようのない不安が沸き起こり、類に対し嫉妬が芽生えたのも頷ける

それに、どう考えても、、牧野は類の事が好きだと分かる
そして、静と類が仲良さげな姿に嫉妬心が湧き、そう感じるのでは?とも勘繰ってしまう

あきらが、黙り込んでいる間も、つくしは必死に訴えかける

「あいつからね、、類は、記憶を失くしても、心の奥底にあったのは静さんへの想いで、それをあたしが認めたくないから、類が偽物だと思い込もうとしているんだって言われたんだ。 
それを言われた時、確かにそうなのかな?とも思った。 だから何度も考え直した。 
でも、どう考えてもあの類は偽物だと感じる。 
確かに類が静さんの事を本当に慕っていた事も、そして絶対に忘れられないことも判ってる。 
だから、記憶喪失になった今、その隠された部分が表面に現れたのかもしれない。 
でも、だからと言って、ちょっとした癖まで変わる物なのかな?」

『お前、、それって、類の事が好きって言っているような物だぞ? 
ちょっとした仕種に違和感を感じているんだからな!
もし、あの類が本物だったとしたら、かなり静に嫉妬して、変な妄想に駆られているって事になるぞ?』

「そうなるよね。 道明寺に指摘されるまで、そんな気持ちに全然気が付かなかったよ。 
でも、確かに静さんが類の頬に手を添えている姿を見た時、胸がキリキリと痛んだ。 
それがたとえ偽物の類だとしても、ソックリすぎる容姿だし、あたかも類に見えるし、、、
高校生の頃のカナダでの別荘を思い出した。 
あの時は、絵になる二人だなって思ったんだけど、、、今はどうしようもないくらい苦しい」

つくしは、あきらに対し自分の気持ちを包み隠さず告げ、静に対し強い嫉妬心もある事を、きちんと述べる
そこにあるのは、協力してほしいと言う思いだけだ

自分の思い過ごしなら良い
本物の類が、静さんを欲しているのなら、、それはそれで認めなくてはならない事だ

この気持ちをどうこうするのではなく、本物の類かどうかを確かめたい
それで、あの類が本物なら、、『良かったね』と、笑顔で伝えればよい事
そう言う気持ちだ


あきらもあの時、静を受け入れる類を、信じがたい気持ちで見ていた
確かに以前は好きだったと思う
でも、牧野と出会い、確実に牧野の事が好きだったはず
現に、高校生の頃は司と取り合ったぐらいなのだから

でも、あれから随分と時間が経っている
それに、司と牧野が強い結びつきで遠距離を過ごしていたことも、傍にいる類には良く分かっていたはずだ

だから、、決して近づきすぎないよう距離を開け、それでも牧野が寂しくないように接し、自分の気持ちを昇華をさせようとしていたはず

そんな牧野の事は覚えていないのに、静の事は覚えていた、、
これが信じられなかった

だが、幼い頃からの付き合いがあったのは事実だ
そして、類の心を救ったのも静かだ
たぶん、初めての女も静かだ
色々な事から、静の事だけを覚えていたとしても不思議ではない

でも、牧野の告げる疑問点を聞くと、確かに、、と思える節もある
こうして、いつの間にか類の事が好きになっていたと伝え、、
一番傍にいた自分だからこその違和感を、俺に切実に訴えるのは、、

――真実を知りたい

その一心だろう

参ったな、、
一蹴してやろうとも思ったが、ここまで聞くと、確かに偽物かも?と思えてくる
しかし、何か決定的な違いは無いのか?

『他に、類じゃねぇと言う決定的な点はねぇのか?』
「うん。 あのね、、瞳が違う」

『瞳? そりゃ、顔が少し腫れていたから、、』
「そうじゃなくてね、、類の瞳はビー玉みたいにキラキラしていて吸い込まれそうなの。 
でも、あそこにいた類は、ただの茶色い瞳だった。」

そう言えば、牧野は類を覗き込むようにして見ていた事を思い出す
そして司が、すぐに引きはがしていたが、あの時から疑問を持っていたのか、、
凄いな、、こいつ、、

でも、それも決定的じゃねぇんだよな、、

「考えたんだけどね、、あの類が偽物なら、、たぶん、記憶喪失を演じているんだと思う。 
その方が、知らない人がいても対応できるでしょ? 
後、静さんの事を覚えていたのは、昔モデルをやっていたから、知っていたんじゃないかな?」

なるほど、、
確かに辻褄が合う

そして、ここまでいろいろ考えていたのか、、と思うと、やはり真実を確かめてやりたくなる
それが、どう転ぶか分からねぇが、、このままにしておけねぇ

「あのね、、悪いんだけど、明日の早朝、類の家に一緒に行ってくれないかな?」
『明日の早朝?』

「うん。 あの人が偽物だとしたら、本物の類が心配で、、今頃どうしているんだろう?」

あっ、、と、あきらは思う
確かにそうだ
あれが偽物なら、本物はどうしているんだ?

「温かい部屋にいるのか、食べ物を与えられているのか、暴力を受けていないのか、、いろいろ考えていたらなかなか眠れなくて、、美作さんが興味を持ってくれて、ほんと助かってる。」

『あぁ、、分かった。 明日の早朝、類の家に行ってみようぜ。 お前ん家まで迎えに行くからよ。 
だが、あいつに会った所で、記憶喪失を理由にとぼけられるかもしれねぇ。 
それまでに、なにか決定的な証拠がねぇか、もう一度考えてみようぜ?』
「うん、、分かった。 ありがとう」

こうして、つくしは電話を切る
とにかく、あしたにはまたあの類に会える

本物なら、、記憶が戻っているかもしれない
その傍には、静さんを置いているかもしれない

それならそれで、、『良かったね』と言ってあげよう
いつもいつも、心配ばかりかけていたから、、




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12 Comments

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2018-03-12 09:24

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2018-03-12 09:50

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2018-03-12 11:25

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2018-03-12 14:07

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りおりお
Re: ノエ様

りおりお  

2018-03-12 15:56

こんにちは

暖かくなりましたね
花粉が飛び交い、花粉症の方は大変だなぁと思っております
何とか今のところ、そのような兆候が無くホッとしております

さてお話、、
あきら君、直ぐに動いてくれました
まずはつくしちゃんに電話で確認
そのどれもに、各省となる物は無いのですが、真剣さは伝わる
と同時に、つくしちゃんの言う通りだとすれば、本物の類君は?と疑問も出てくる
とにかく確かめることになりました

良かったです
早くしないと、、類君が!

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2018-03-12 16:00

こんにちは

あきら君は、まずつくしちゃんに確認を取りました
その話を聞くと、疑問を持ってもおかしくない
つくしちゃんは切に訴えるし、ずっと一緒にいたからこそ分かる疑問の数々
そのどれもが、つくしちゃんの類君への思いを語っているんですけど、それだけ真剣に話すと言う事は、本当に偽物が?と心動かされています

だからこそ、確かめてみなければ、、と思い始めました
つくしちゃん、頑張ったね

旦那様が家にいるとの事
確かに、平日にもかかわらず家にいるのはちょっと邪魔ですけど、子供のいない間にラブラブしちゃってください(笑)

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-03-12 16:06

こんにちは

初めは、半信半疑だったあきら君
でも、つくしちゃんの真剣な説明に、まさか本当に偽物が?と思い始めました
それに、恥ずかしがらずにあきら君に対し「類が好き」と告げているような物
それだけつくしちゃんが切羽詰っている事が分かります
と同時に、それが本物の類君ならば、完全なる嫉妬と言う事にもなります
それでも、真実を確かめたいと言う思いで、あきら君に協力を願い出ています

つくしちゃんの人柄が、あきら君を動かしたようです
さて、朝になったら花沢邸に乗り込む事にした二人ですが、
そこには、静さんと良がいます
もちろん二人は熱い夜を過ごしています
容姿が似ている良の姿に、つくしちゃんは平常心で臨む事が出来るかな?

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りおりお
Re: おち~様

りおりお  

2018-03-12 16:10

こんにちは
こんな時期にインフルエンザ?
すっかり暖かくなったのにね
まだまだ用心をしないと、、と言う事でしょうか?

さてお話ですが、
つくしちゃんの訴えるような意見に、あきらくんも心動かされました
本当は、そんな馬鹿な!と思っていたはずですからね
それだけつくしちゃんは真剣だし、真実味が帯びているし、あきら君自身が否定できない事ばかりだし
さて、早朝乗り込む事にした二人ですが、そこには夜を共にした静さんと良がいます
つくしちゃん、大丈夫かな?

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2018-03-12 20:20

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りおりお
Re: M様

りおりお  

2018-03-12 21:27

こんばんは
私の作品で、類つくに目覚めて頂き嬉しい限りです(笑)
どのCPも、読んでいると楽しいですよね

そして、ガラケーのテンプレートを変えてみました
こちらならカテゴリーがあると思うのですがどうでしょうか?
今はスマホにしたので、どう言った形で見られるのか確かめる事が出来ません
もし不具合がありましたら、またお知らせください

今、ヤフーブログからチマチマと移動させています
短いお話は、既に移動させたのですが、残るは長編ばかりで思うように進みません
それに誤字が多いのにびっくりだし、勘違いシリーズも初めの頃はキャラの色が決まっていない事を知ったり、、
と、色々と修正しております

ボチボチ頑張りますね

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-  

2018-03-12 22:29

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りおりお
Re: 御礼

りおりお  

2018-03-13 09:25

良かったです

ガラケーのテンプレは、全く弄っていなかったので、どんな物を設定しているのか知りませんでした(笑)
なぜなら、、このブログは他の作家様に作って貰ったから(笑)

また何かありましたら、ご連絡くださいね

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