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また、明日ね<完>

23 決断

14
コンコンコン

『類様、、お目覚めでしょうか? お客様がお見えですが』

控えめな声が、ドアの外から使用人の声が聞こえてくる
良は、寝たふりをしようか? とも思う

だが、花沢類と言う人物は几帳面なのかもしれない
そうなると、出ない訳にはいかない

それに、お客様と言っている
こんな早朝から誰が?とも思うが、会社関係の人が来たのかもしれない
現に8時過ぎだし、社員の誰かが、俺の様子を確認しに来たのかもしれない
一応、記憶喪失だし、何も知らないで惚ければ、すぐに帰っていくだろう

そう考えた
それが間違いとも知らずに、、

「すぐ、着替えるから、ちょっと待って」
『かしこまりました』

良は、急いでクローゼットを開ける
そこには、沢山のブランド服が並んでいる

すっげぇ、、
これ、、リサイクルショップに売ったら、すっげぇ金になるんじゃねぇか?
と思いながら、私服に袖を通す

肌触りの良い肌着
柔らかで温かなカシミヤのセーター
どれも自分の身体にあつらえたようにピッタリだ

――このまま入れ替わってもやっていけるんじぇねぇか?

思わず、そんな事を思ってしまう程、心に余裕が出来ていた

そして仕上げに、柑橘系のフレグランスを少しつける
昨日、服を着た時にほんの僅か匂った香
そのフレグランスが、洗面台に置かれていたのを知っている
これをつければ、、誰が見ても花沢類の出来上がりだ

そこに、シャワーを終えた静が出てきた

「あらっ? 着替えてどこへ行くの?」
「なんか、お客が来たって言うから、、」

「こんな時間に? 誰かしら?」
「さあ? でも、大切な人だったら失礼にあたるだろ?」

静も、いつもと違う類に違和感を感じる

昔なら、来客だろうがなんだろうが、時間を忘れて眠り込んでいた
だが、私が知っている高校生からは、成長しているという事かしら?

それを頷けるように、昨夜は人が変わったように激しかった
そして、かなり上手だった
以前の類は、どちらかと言うと淡白で単調だったのに、、

それがどこでテクニックを磨いたのか、ツボを突くと言う感じで、しかも終わりが見えなかった
あんなに蕩けるような交わりは初めてだった

それって、、久しぶりに会った私に夢中になったという事に他ならない
だからさっきも、惰眠よりも私との情事を楽しんだ

綺麗に洗ったつもりだが、今もあの部分から類の放った物がジワリジワリと垂れている
中に出すという事は、、そうなっても良いという事

だから、こうして人が変わったようにしっかりしたのかもしれない
私との将来を見据えて、、

「そうね。 じゃ、着替えて待っているわ」
「あぁ、、じゃ、ちょっと行ってくる」

静は、さも当たり前の様に目を閉じ口元を差し出す
その形の良い唇に、良はチュッとキスをした

そして踵を返し、自室を出た


そこには、佳代が立っていた

「お休みの所、申し訳ありません」
「いや、、で、お客様って誰? 俺、覚えていないんだけど?」

「昨日、類様に面会された、美作様と西門様と牧野様でございます」

あの三人か、、
だったら、眠ったふりをしておくんだったと、相手を確認しなかった自分の落ち度を悔やむ
だが、今更どうにもできない

良は、佳代に案内される形で、応接間に通された




良の姿を見た三人は、ソファーから立ち上がる

「よぉ、、類! 朝早く悪りぃなぁ」
「少しは記憶が戻ったか?」
「身体の具合はどう?」

「あぁ、、身体の方はなんともないけど、記憶はまだ何も思い出さない」
「そうか。 だが、身体の方が何ともねぇのは良い事だ。 まあ、記憶の方は気にするなよ」

「あぁ、、そうだよな」

つくしは、ジッと目の前の人物を見る
ほんとにソックリだ

昨日腫れていた目元は、既にその腫れは引き、今は少し青くなっている
背格好も類と遜色がない
そして、、かすかに香るフレグランスが、類そのものの様に見せかけている

でも、、

あきらと総二郎は、出来るだけ類から言葉を引き出せるよう、話を続けている

「んで、、昨日は、静も泊まったらしいな」
「あっ、、あぁ、、」

良は、内心ドキドキしている
こいつは、静の事をどう思っていたんだ?
確かに昔は男女の関係もあったみたいだが、今の気持ちまでは判らない
どちらかと言うと、目の前の牧野と言う女に惹かれていたような気がするが、、

「お前、、昔っから静の事が好きだったもんなぁ」

その言葉に、ホッと安堵する
目の前の女に優しくしていたのは、妹のような感じだったのだろうと、解釈する


そこに静がやってきた
どうやら、佳代から客人はこの三人だと聞いたようだ

「あらっ、、誰かと思ったら、あなた達だったのね」
「おう、、静!」
「お前、泊まったんだってな」

あきらと総二郎は、顔色を変えることなく普通に挨拶するものの、つくしは何と声をかけて良いか分からない
静の身体からは、あきらかに石鹸の香りがするし、胸元に一つ赤い証が見え隠れしている
この類は偽物だと思うのだが、やはり類ソックリと言うのは堪える
どうしても類が静を組み敷いたと言う錯覚に陥りそうだからだ

その静は、さも当たり前と言うように、類の隣に腰をおろした

「静、、類の様子はどうだった?」
「魘されたり、異変とかなかったか?」

「えぇ、、全然見られなかったわ。 至って普通で、記憶が無いという事が信じられないくらいよ」
「そうか。なら良いんだが、、」

あきらと総二郎にも、二人の関係は一目瞭然だ
そして、静の態度には、少々気にいらない部分も感じる
まるで、、昔に戻ったかのような女王様気取りで、類を手なずけているような、、そんな感じだ

過去、、二人の間に何があったかは知っている
静がフランスへ行ったとき、類も後を追って行ったのだから
そこで、何もなかったとはとても思えない

それでも、類の方がその生活に違和感を覚え、一人で日本に帰ってきた
そしてカナダの司の別荘で、二人は完全に別れてたと聞いている

それからは、、つくしの事だけをずっと思い続けている事ぐらい、すぐに判った
それは、見ている方が辛くなるような捧げる愛だ

それが、、記憶が無いのを良い事に、静が体を使って落としたような感じに見える
しかも、、つくしを見つめ、勝ち誇ったような笑みを称えて、、、

そんな中、つくしが言葉を発した

「静さん、、昨日はずっと一緒だったんですか?」
「えぇ、、そうね。 ずっと一緒だったわ」

つくしは、ジッと静を見据えている
それに挑むように静もつくしを見つめる

それはまるで、類を取り合っている女の戦いのようだ

「それで、類は、、以前と何も変わっていなかったですか?」

つくしは、さりげなく『以前の類と違うところはないか?』と聞いたつもりだ
幼い頃の類を良く知っている静なら、、小さな癖の一つでも違うところが無かったか?と

だが静は、『類は今でも静の事が好きなのか?』と聞かれたと思った
それは、類が本物だと疑っていない事と、つくしが類に好意を寄せているからこその言葉
つまり、嫉妬していると感じた

それに、静にとってつくしと言う女性は、強烈な印象で恐怖を感じる女性でもある
過去、自分を前に、類の為に土下座をした
真っ直ぐな瞳で、他人の為に、、いや、類の為に自らを犠牲にする事ぐらい意にも留めない
それくらい、類に関してはライバルと認めざるを得ない相手だ

そんな中、、類は静を選んだ
たとえ記憶が無くても、しっかりと愛し合った事実は変わらない
それが静に自信をつけさせた

「えぇ、、全然変わっていなかったわ。 昔と同じように、、と言ったら良いかしら? 
記憶が無くて不安でしょうけど、朝まで私を離すことなく温もりを感じ合っていたわ」

言葉は濁しているものの、あからさまな発言にあきらと総二郎も驚く
デリケートな部分を、こうして恥ずかし気もなく話すのだから、、
それは、つくしに類を取られたくないと言う、女としての感情が現れていると感じる

つくしは、スッと視線を類に向ける

「じゃ帰るね。 なんかお邪魔みたいだから。 静さんと、仲良くね。 きっとすぐに記憶は戻ると思うから」
と言いながら、左手を差し出す

その左手を、良は左手でしっかりと握る

「あぁ、、ありがとう」

ギュッと交わされる握手
それを見て、あきらと総二郎も立ちあがる

「じゃ、俺達も帰るわ。 ゆっくり養生しろよ」
「あぁ、、後は静に任せるわ。 じゃあな」

三人は、そのまま応接室を後にする
そして、佳代が先導する形で、玄関先まで出てきた

そして、、つくしが小声で告げる
「違う。 あれは類じゃない」
「分かった」

つくしが、わざと握手をしたことを知っている
それが最終判断だという事も
そのつくしが、違うと言い切るのなら、違うのだろう

あきらは、すぐさま佳代に耳打ちする
その言葉に、しっかりと頷いた

そして三人は、何事も無かったかのように花沢邸を後にした






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14 Comments

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2018-03-15 09:26

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2018-03-15 09:29

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2018-03-15 10:17

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2018-03-15 10:19

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2018-03-15 11:38

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2018-03-15 11:39

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2018-03-15 12:28

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りおりお
Re: ノエ様

りおりお  

2018-03-15 12:34

こんにちは

確かに、、静さんが妊娠していたら、類君ソックリの子供が!(@_@;)
でも、ノエ様の言う通りです
髪の色も黒いし一重まぶた、、全然違う!!と思いたい(笑)

それにしても、私達から見れば静さんの行動は滑稽ですね
静さんがどれだけつくしちゃんに嫉妬しているのかが分かります
そして、自分の方が断然上!と言う上から目線?

つくしちゃんは、二人の並ぶ姿ですら心苦しいですが、今は本物かどうかを見極める最終段階
その結果、偽物と言い切りました!!
さて、いよいよでしょうか?

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2018-03-15 12:37

こんにちは

私達から見れば、静と良の姿は滑稽に映りますが、何も知らないつくしちゃんとあきらと総ちゃんには、疑問として映った
しかも静さんなんて、類君を寝取ったと言う自信がみなぎり、あきら君でさえ顔をしかめる程
それすらも気付いていません

そんな中、つくしちゃんはしっかりと良を見て、握手をして、、
そして偽物だと感じました

早く類君を助けないと!!
それはどうやって?

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りおりお
Re: ゆきた~様

りおりお  

2018-03-15 12:39

こんにちは

静は、つくしちゃんに対する対抗心しかありません
そして、しっかりと寝取ったと言う自信も見えます
でもそれ、、違う人ですからぁ~~

つくしちゃんは、偽物と判断しましたけど、どうやって類君を探す?
あきら君の作戦とはどんな物でしょうか?

早くしないと、、類君が~~~

EDIT  REPLY    
りおりお
Re: 真~様

りおりお  

2018-03-15 12:42

こんにちは

つくしちゃんが偽物と判断し、類君救出作戦が実行されました
静さんは、原作でも思ったんですけど、類君の上辺だけしか好きでは無いような気がします
容姿やバックグラウンド、、でも、大人しすぎる性格は好みでは無い
ついでに、夜の営みも物足りなかったはず

でも、偽物は、積極的だし夜の営みもかなりな物
これはもう、、、しっかりと関係を深めて、自分の物にしたいと思うでしょう
と言う、私のイメージです(笑)

さて、あきら君の作戦とは?
とにかく早く類君を救出しなければ、、

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-03-15 12:49

こんにちは

ほんの僅かの間も、つくしちゃんは真剣に良を観察していました
途中から、静さんの行動と言葉に心が折れかけていたでしょうに、、頑張りました

そして、偽物と断言しました
それを素直に信じるあきら君と総ちゃん、、そして佳代さん
あきら君の作戦が始まります

何も知らない良は、このまま類として生きても、誰も気づかないと思っているんだから笑いが出ます
さてどうなるかな?

EDIT  REPLY    
りおりお
Re: おち~様

りおりお  

2018-03-15 12:51

こんにちは

私が静さんが嫌いだから、どうしてもこう言ったキャラにしてしまうんです
類つくでの静さん像は、ほとんどこんな感じではないでしょうか?
でも、他のCPになると、静さんが素敵な女性に描かれていたり、、
(それ、、騙されてるよ! 静さんは、絶対こんな性格なんだから~)と言ってあげたいくらいです

さてお話、、
つくしちゃんが偽物と断言し、あきら君も総ちゃんも、、そして佳代さんまでもその言葉を信じました
そして行動に移します

類君、、後少し頑張って!

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りおりお
Re: てる~様

りおりお  

2018-03-15 12:53

こんにちは

つくしちゃんは、偽物と言う判断をしました
それにより、類君救出作戦が発動されました
もちろん、佳代さんもつくしちゃんの言葉を信じて動いています
静さんよりつくしちゃんを取る、、花沢家の使用人もさすがですねぇ

だから類君、、頑張って!!
と伝えたいですね

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