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また、明日ね

24 失態

11
三人が帰り、良は静と共に自室に帰る
すると、既にベッドメイキングが終わっている

さすが、、と、良は感心する

「類、、今夜もここに泊まろうかしら?」

もちろん、良にとっても嬉しい事だ
今夜も極上の女が抱ける

だがその前に、キャッシュカードや金が、どこにあるのか探したい
それに本人はどうなっているんだろうか?

半日は想定内だろうが、二泊も音信不通となると仲間達も心配するはず
それに縫う怪我をし、目の辺りが少し青く残っている
これは想定外だ

その為、早急に連絡を取りたい

「ありがとう。 やっぱり一人は心細くて。 静がいると安心する。 
でも静も一度家に帰った方が良いんじゃない? 親も心配するだろ?」
「あら、、類の家に居るんですもの、心配なんてしないわ」

良は、心の中で舌打ちする
これじゃあ、一人になれない
それに、ここでは電話が出来ない
花沢類の携帯は、履歴が残る為使用できない
この家にも固定電話はあるのだろうが、記憶喪失の自分が、使用人の居る中で電話をする訳にもいかない

それなら、、

静と共に外に出かけようか
丁度昨日はホワイトデーだった
気分転換とプレゼントを買いたいと言えば、喜んでついて来るはず
その時、何処かで隙を見て電話をかければ、、
あっ、静なら、こいつのキャッシュカードや金品置場を知っていないだろうか?
それこそ、静の誕生日が暗証番号とか?

良は、いろいろ考え、そして口を開こうとしたとき、花沢類の携帯が鳴りはじめた

途端、二人はその携帯を見る
そこには『母』の文字

「あらっ、おば様からじゃない? 心配で電話をかけてきたのね」

良は悩むものの、出ない訳にもいかない
大丈夫だろうか?
バレやしないだろうか?
でも相手は電話だ
少しぐらいなら、誤魔化せるはず
それに俺は、記憶喪失中なんだから、分からないで通せば済むはず

良は、ドキドキしながら通話ボタンを押した

「はい」
『類君? 身体の具合はどう? 記憶は戻ったかしら?』

「いや、、まだ、、」
『そうみたいね。 だって電話に出てくれ、こうして話をしてくれるんですもの』

良は、どう言葉を紡いで良いのか悩む

『それでね、、類君にはこっちに来てもらおうと思ってるの。 
ほらっ、やっぱり記憶喪失なんですもの、親としては心配だわ。』 

こっち?
どこだ?
札幌?名古屋?大阪?福岡?

「こっちとは、、どこ?」
『あぁ、、記憶喪失ですものね、私たちが暮らしている場所も覚えていないわよね?』

「はい、、」
『フランスよ!』

はっ? フランス? って、パリのあるフランス?

「フランス~~~!!!!」

良は、思わず大きな声で叫ぶ
その言葉に、隣にいた静もビクッと体を震わせる
その静に、ごめんごめんと手で謝りつつも、電話の主に耳を傾ける

「そのっ、、突然すぎて」
『まあ、そうね。 突然ついでなんだけど、今夜のシャルル・ド・ゴール空港行きに乗ってくれるかしら? 
そうすれば、明日にはこちらに着くから。
あっ、荷物はいらないわ。 こちらにすべてあるから、身一つで来てね』

「ちょっ、、ちょっと、、」
『という事で、明日シャルル・ド・ゴール空港で待っているわ。 じゃあね』

麗は一方的に告げると、すぐに通話を切った
その携帯を呆然と見つめる良

フランス?
今夜発に乗るという事は、昼過ぎにはこの家を出る?

やべぇ、、
フランスなんかに行ったら、何時こっちに戻れるんだ?
と言うか、行ける訳がねぇだろ!!

「ねぇ、、おば様はなんて?」

そうだ、静に説得して貰おう
静も、俺と一緒に居たいはずだ

「いや、なんか突然なんだけど、今夜の便で母親の居るフランスに来いって」
「まあ、それは良い事だわ」

「えっ? フランスだぞ?」
「えぇ、、だって私、フランスから帰国していたんですもの。 
でも類がフランスに行くのなら、私も一緒に行こうかしら。 
あちらで気分転換も兼ねて、美味しい物でも食べましょう?」

静がフランスから帰国していたとは想定外だ
良は、かなり焦る

「ちょっ、、ちょっと待ってくれ。 俺は、フランスに行った事なんて一度もないし」
「覚えていないからそう思うんでしょうけど、何度も訪れているわ。 
それに類は、私を追いかけてフランスに来てくれた事もあるのよ? 
きっとあちらへ行けば、いろいろと思い出すはずよ。 あっ、私まだあのコンドミニアムに住んでいるの。 
あそこを見ればすぐに思い出すんじゃないかしら? そうね、おば様に頼んで、暫く一緒に暮らしましょう?」

思い出すはずがねぇだろ!
見たことも住んだ事もねぇんだからよ!!

「でも、、俺は、フランス語なんて話せなくて」
「あら? ペラペラよ。 きっと記憶が戻れば思い出すわ。 だから何も心配いらないわよ」

やべぇ、、
話せるわけがねぇだろ
フランスどころか、海外なんて行ったことが無いんだから

すぐにでも、ここから逃げ出さなければ、、
そして、本物と入れ替わらなければ、、

「じゃあ、私は一度帰るわね。 荷造りをしてくるわ。 用意が出来たら、迎えに来てくれるかしら?」

とにかく、静がここに居ては邪魔だ
早く帰って貰い、本来の目的であるキャッシュカードや金品を持ち出さなければ、、

「あっ、、あぁ、、分かった」

静は、サッとベッドから立ち上がり、良にキスをして部屋を出ていく
その足取りは軽く、、部屋を出た所に居た佳代と、何やら話をしながら玄関先へ向かっていった

それを見て、良は部屋のドアをしっかりと閉める
そして、部屋を見渡す

目につく所には、特に何も置いていない、
という事は、クローゼットか?


良は、クローゼットの中を隅々まで探す
そして、小箱を見つけた
こいつの持ち物にしては、みすぼらしい紙製の小箱
小さなハートの模様だが、どう見てもその辺の100均で売っているような代物だ
その小箱を振ると、カサカサとそれらしい音がする

思わず良は、ニンマリとする
小箱のリボンを解き蓋を開けると、カード類が出てきた

ビンゴだ!!

さすが御曹司だけあり、いろんな銀行のカードが入っている
それをごっそり手に取り、ボケットに入れる
そして、現金が無いか調べるが、そちらは見あたらなかった

「おいおい、、マジで現金は持ってねぇのか? どうやって生活してんだ? 
まあ、この家に居れば勝手に食事は出てくるし、服も用意されるんだろうけどよ! ほんと羨ましい生活だぜ」

と愚痴をこぼし、クローゼットから出る
そして、何食わぬ顔で部屋を出た

「あらっ? 類様? どちらへ行かれるのですか?」
「あっ、、今、母親から今夜の便でフランスへ来いって言われたから、ちょっと買い物に」

「買い物ですか? 何を買われるのですか? 
服とかでしたら、フランスで購入すれば良いですし、、それに記憶が無いのですから、道も判らないのではないですか?」

あっ、、と思う
確かにそうだ
だが、、どうしてもこの家から出なくては、、

「確かに、、そうだな。 でも、、ほらっ、日本円をユーロに変えないと、、」
「あぁ、、確かにそうですね。 
すぐに使えるように、多少は両替をしておいた方がよろしいですね。 
それでは、SPにでも行かせますね」

「あっ、、いや、俺が行く。 気分転換もしたいし」
「それでは、、車を用意させますので。 SPも二人ほどつけますね」

「いや、、運転手一人で充分だから。 銀行まで送って貰えれば、、中には銀行の警備員とかいるだろうし」
「分かりました。 それでしたら、すぐに運転手を用意させますので、玄関口でお待ちくださいませ」

そう告げると、佳代は奥の部屋へ入る
そして、あきらに電話を掛けた

「美作様ですか? 類様が外出されます。 ご想像通りSPを遠慮し、渋々運転手だけの同行を希望されました」
『やっぱりな。 ありがとう』

こうして佳代は、運転手に扮したSPを玄関口へ向かわせ、類を見送る
その後、佳代はすぐさま麗に電話を入れた

「あっ奥様。 美作様のおっしゃる通り、すぐに家を出ていかれました。 
そして両替をしたいとか言いまして、銀行に向かいました」

『そう、、やっぱり偽物ね。 本物の類君が両替なんて行くわけがないじゃない。
誰かに頼んで、自分は時間が来るまで寝るのが本物の類君だもの。 
それに、記憶が無くても私に敬語なんて使うはずがないじゃない!
とにかく本物の類君を早急に見つけてちょうだい。 くれぐれも慎重にね』

「かしこまりました。 また何かありましたらご連絡いたします」

こうして電話を切った
佳代も、そしてフランスに居る麗も、類の身を案じ祈るような気持ちで成り行きを見守った




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11 Comments

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2018-03-16 09:17

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2018-03-16 09:46

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2018-03-16 10:28

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Re: ノエ様

りおりお  

2018-03-16 12:12

こんにちは〜

あきらくんの作戦!
類くんママから、フランスへ来るように…と連絡を入れさせる!
そうすれば、本物ならそのまま行くはず!
偽物なら、慌てまくりボロを出す!
そして、一刻も早く花沢邸殻出て、仲間と連絡を取るはず!

一刻を争う事態です!
皆、頑張れ!

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Re: ゆきり〜様

りおりお  

2018-03-16 12:14

こんにちは〜

そうです!
類くんが銀行へ!
しかも…量が絵なんて考えられない!

慌てた偽物は、次々にボロを出しています
と言うか、早くお金を引き出して逃げたい!という思いだけでしょう

麗さんも、類君の受け答えに違和感を感じたし、佳代さんにしても同じでしょう!

つくしちゃんは、早く類くんを救出したいでしょうね

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Re: ゆきた〜様

りおりお  

2018-03-16 12:18

こんにちは

良は、焦りまくりですね
まさかフランスへ行かされそうになるとは!
その前に、当初の目的であるお金を手に入れなければ!との思いで、急いで邸を後にしましたが…
本物なら、本人が銀行へなど行くはずがない!
両替なんてするはずが無い!
完全に、偽物と分かる行動です

さあ…後は犯人グループを一網打尽にして、類くんの行方を見つけなきゃ!

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2018-03-16 13:06

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2018-03-16 13:55

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-03-16 15:46

こんにちは

良は偽物と判明しているとは知らず、焦っています
フランスなんて行く事は出来ませんからね
サッサとお金を持ち出す予定が、現金が無い為キャッシュカードを持ち出した
でも、邸を出るのも一苦労
類君らしからぬ行動をしているとは、思っていもいません
それらの行動からも、偽物であると佳代さんは確信しました
類君が、銀行へ行くとか両替へ行くとか、、絶対に有り得ませんものね

尻尾を出した良ですから、後はさっさと類君の居場所を突き止めないと、、
頑張れ、類君

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2018-03-16 16:56

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りおりお
Re: おち~様

りおりお  

2018-03-16 21:07

こんばんは

あきら君の作戦により、良は焦っています
まさか、母親から電話がかかりフランスへ行くことになるとは、、想定外ですよね
しかも、未だ疑われていないと思っているんですから、、

類君が、銀行とか両替とか行くはずがないのに、、
自ら墓穴を掘りました

さてどうなる?

そして、麗さんは私も好きです
こんなお姑さんだと、話が合いそうで嬉しいなぁ
楓さんのようなお姑さんだと、息が詰まると言うか耐えられません

なので、明るく無邪気なお母さんにしました(笑)

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