FC2ブログ

Welcome to my blog

また、明日ね<完>

26 二人

17
「そうか、、」
『あぁ、、それでな、あいつ類の傍を離れねぇんだ。 
まあ、類の方は、命に別状はねぇんだけど、低体温症一歩手前だったし、足首を捻挫してる。 
でも、あいつが偽物だと言わなかったら、、今頃、偽物が類としてすごし、本物の類は死んでいたかもしれねぇ。』

司は、あきらからの電話に、複雑な気持ちだ
類が、思ったより軽い怪我で見つかった事は嬉しい
だが、、、

――あいつだけが気付いていた

それほど、類の事が好きだという事だ
俺も親友達も、そして身近にいた使用人でさえ気づかなかった偽物を、あいつはすぐに見破った

あの時、、
『あのねっ、、その事はちょっと置いといて、、類の事なんだけど、、』

俺との話を、そう言って遮った
俺達の今後の大切な話だった
約束の4年が経ち、これから明るい未来が待っているはずだった

忘れていないぞ
もうすぐ4年だぞ
一緒に暮らせるぞ

だが、あいつは必死に拒んでいた
NYには行きたくない
自信が無い

『じゃあ後一年待ってやる』と言った時、心の底からホッとしていた

大学を卒業すれば自信がつく、、そう言っていたが、俺には日本を離れたくない理由があるような気がした

家族がいる
親友がいる
そして、、類がいる

だから、なんとしても関係を持ちたかったのかもしれねぇ

お前は俺の物だ!
もちろん愛している
お前も、、同じ気持ちだよな?

疑心を持ちながらも信じる気持ちもあった
あの言葉を、あいつが発するまではな、、

『あの家に居た類は、、絶対に違う人だと思うの。 
だって、あんた達の事は覚えていないのに、静さんの事だけは覚えていたじゃない? 
そりゃ、静さんは類にとっては大切な人だと思うけど、それならあんた達の事を覚えていてもおかしくないでしょ? 
それにね、、』

必死に訴えていた
俺なんか目にも入っていなかった
もちろん、俺との身体の関係なんか二の次だった
それだけ類の事を心配していた

なんで類の話をするんだ? 
今、俺達は大切な話をしている所だろうが?
それを、その話は置いといて、、と、簡単に片づける方がおかしいんじゃねぇのか?

類の心配ばかりをするあいつに、俺は焦りまくっていた
俺との未来を少しは考えろよ!
俺達、もうすぐ約束の4年なんだぞ!

だが、俺の訴えなんか聞く耳を持たなかった

『あっ、、ごめん。 でも、あの類は偽物だと思うんだ。 
じゃあ本物の類が今どうなっているか、早く見つけないと大変な事になるでしょ?』

なんとなく分かっていたんだ。
こいつと類は、ソウルメイト
他の奴よりも、強い絆で結ばれている

だから、、
――こいつが偽物と思った時点で、その男は類ではない

分かっていたんだ
分かっていたんだが、、
素直になれなかった

いや、認めたくなかったんだ

『類が静の事だけを覚えていたのが気に食わねぇんだろ!! 
それをなんと言うか知ってるか? 嫉妬って言うんだよ!』

みっともねぇよなぁ、、
あいつに言い放った言葉は、そのまま俺自身に対しての言葉だったんだよな

―お前が類の事ばかりを話すのが気に食わねぇんだよ!!
―嫉妬してんだよ!!

そうだ、、
俺は、類に嫉妬したんだ

そして、その言葉で、牧野の奥底に眠っていた気持ちを引き出しちまった
あいつは無意識に、類を好きになっていたんだ
そして表面上では、俺を好きだと思い込んでいたんだ

それは、類にも言える事だ
あいつも、ずっと自分の気持ちをひた隠しにし、牧野を支え続けていたはずだから


誰が悪いわけでもねぇ
遠距離に負けただけだ


「あきら?」
『なんだ?』

「あいつの事、、頼むな」
『司?』

「俺はもう、、入り込む隙すらねぇよ。」
『あぁ、、分かった。 お前も頑張れよ』

「ふっ、、まあ、、暫くは仕事に没頭するわ」
『身体には気をつけろよ! 根を詰め過ぎるなよ!』

「あぁ、、分かってる。 じゃあな」
『あぁ、またな』


通話を切ると、その携帯を胸ポケットにしまう
昨夜から感じていた事だ
それが、現実になっただけだ


<あたしがあんたを幸せにしてあげても良いよ>

あの時は、本当に嬉しかったんだぜ?
だからこの四年間、頑張れたんだぜ

「司様、、次の訪問先ですが、、」
「あぁ、、どこだ?」

司は、すぐに仕事に集中する

類、、幸せにしろよ
俺の分まで、、絶対にな

まっ、言わなくてもお前なら幸せにするよな
ずっと、あいつの事だけを見て、支えていたんだからよ







「類が偽物?」
『あぁ、、静が一夜を共にした男は、類じゃねぇ』

静は目の前が暗くなるのを覚える

「偽物であるはずがないわ! だって、、類だったじゃない」
『あれは、良く似たソックリさんだ。 本物の類は誘拐され山中に置き去りにされていたんだよ』

電話口から聞こえる総二郎の声は、いたって冷静で冗談には聞こえない
その言葉が、静を打ちのめす

あの類が、、偽物?
じゃあ私は、偽物の類と、、、身体の関係を?

「偽物と言うのなら、その人はどこの誰だったの?」
『石川良っつう、、定職にも付いてねぇ男だったんだが、類に成りすまして金を巻き上げようとしたみてぇだな。 
女の家に入り浸って、ヒモのような生活をしていたいだし、借金もあるらしいぜ?』

ヒモのような生活?
職にも就いていない?

そんな男性と、、あたしは一夜を共にした?

静のプライドは粉々だ
今まで、それなりのバックグラウンドやハイソサイティーの男性を選んでいた
それが、、情夫と関係を持った?

電話を持つ手がぶるぶると震えるが、冷静に言葉を発する

「そうだったのね。 私も、おかしいと思っていたのよ。 でも、本物の類が見つかって良かったわ。 
それで類はどこ? 入院しているのなら、お見舞いに行くわ」
『いや、静は来なくて良い。 牧野が見つけたんだ。 それで牧野がついてる』

「牧野さんが?」
『あぁ、、あいつ凄いよな。 あの男を見た時から、あの類は偽物だって言っていたんだぜ! 
まっ、俺も初めは信じなかったんだが、言葉の間が違うとか、ベッドの座り方が違うとか、表情が違うとか、しまいには瞳の色が違うっつってよ。 
あいつにしてみれば、違和感だらけだったらしい。 俺には全然感じなかったんだけどな』

静も全然違和感を感じなかった
思えば、皆の前では無口だったのに、二人っきりになった時は饒舌だった
それすらも、、<記憶が無くても、私の事が気になっている>と、思い込んでいた

そして、牧野さんを見るのではなく、私に熱い瞳を向けてくれていた
だから、、<記憶が無い間に楽しめば、再び良い関係に戻れる>
そう高を括っていた

敵わない
牧野さんには、、、敵わない

「そう、、牧野さんが。 じゃ、私は遠慮するわ。 類と牧野さんによろしく伝えてくれるかしら? 
私もそろそろフランスへ帰るから」

会わせる顔が無い
私が、偽物の類と関係を持った事を知っている
しかも、本物と偽物の区別もつかず、勝ち誇った顔で牧野さんを見てしまったのだから

――愚かな行動だった

『あぁ、、分かった。 気を付けて帰れよ。 じゃあな』


電話を切った後、そう言えば、、と、今朝の行為を思い出す
あの時、中に放たれたものはどうなるのかしら?
大変だわ、、急いでアフターピルを処方してもらわなければ


静は、急いで病院へ向かう
類の子供ならまだしも、あんな訳の判らない男の子供なんて、絶対に無理
私にはふさわしくないのよ




にほんブログ村


関連記事
スポンサーサイト

17 Comments

There are no comments yet.
管理人のみ閲覧できます

-  

2018-03-18 09:29

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2018-03-18 09:30

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2018-03-18 09:51

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2018-03-18 10:21

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
Re: ゆきた〜様

りおりお  

2018-03-18 10:42

こんにちは

類君…見つかりました
つくしちゃんは、類君の側から離れません

その報告を受けた司くんも、この事実を認めるしかありません
既に、認めていたんでしょうね
つくしちゃんが類君の異変に、気付かないはずがない!
二人は、昔から誰にも踏み込められない部分があったんだから…
ただ、それを認めたくなかっただけ…と…

静さんの方は、つくしちゃんには完敗だと、認めざるを得ませんね
そして二度と、二人に会うことも出来ないでしょう
静かさんのプライドがそれを許さないでしょうから

明日もお楽しみに〜

EDIT  REPLY    
Re: ノエ様

りおりお  

2018-03-18 10:50

こんにちは

司くんは、諦めるしかない
つくしちゃんが、類くんへの違和感を口にしたときから、内心かなり焦り、嫉妬していたんですね
そして、それを認めたくなかった
だからこそ言い争いになり、静さんへの嫉妬だと言い切り、諦めろ!と伝えたかった
それが、全て裏目に出てしまい、つくしちゃんの心の中を解き放ってしまった
何もかも…後の祭りですね

静さんも、類君が好きなのではなく、類君みたいな容姿の男が好き
自分を喜ばせてくれるテクニックを持っている男が好き
それを露呈した形です
もう…類くんとつくしちゃんに会うことが出来ませんね

さて…渦中の二人は?
お楽しみに〜

EDIT  REPLY    
Re: ゆきり〜様

りおりお  

2018-03-18 10:58

こんにちは

浅草、スカイツリーはベタな観光めぐり
でも楽しいですよねぇ…
人が多いのが難点ですが…

さてお話…
司くんも、実の所嫉妬していた
つくしちゃんが、類くんの話ばかりするし、自分との未来よりも類くんのほうが大切!と聞こえる
この四年間頑張ってきたのに…という思いもあった
反省すべき点も多々あり、つくしちゃんの心変わりを認めたくないが…と言う思いでした

静さんの方は、自分の行動を反省すべきですね

さて…今頃二人はどうしてる?
明日もお楽しみに〜

EDIT  REPLY    
Re: おち〜様

りおりお  

2018-03-18 11:02

こんにちは〜

静さんに対するイメージは、私も一緒です
つくしちゃんを見る表情は、上から目線ですよね
その後も、上から目線での態度と会話です
キィ〜(°益°)となりますよ(笑)

司くんは、自分も嫉妬していた…だから、あんな態度を取ったと反省しつつ、つくしちゃんの類くんへの思いは、誰も踏み込むことのできない物であることが、良くわかったようですね
こちらは、踏ん切りがついた!といった感じですね

さて…二人は今?
お楽しみに〜

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2018-03-18 11:08

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2018-03-18 11:37

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2018-03-18 11:49

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
りおりお
Re: ロン~様

りおりお  

2018-03-18 13:04

こんにちは

司君も、実は嫉妬していたんですね
遠距離は難しい
つくしちゃんが、類君の心配ばかりして、自分との未来について何も言わなかったから
それに、類君に対しては昔っから嫉妬心を抱いていたのも事実

私も、ロン~様の言う通り、原作でも司とつくしはそのうちダメになるような気がします
司君は、つくしちゃんよりも仕事を優先しそうだから
その点類君は、一につくしちゃん、二に仕事と言う優先順位だと思うから

静さんに対しては、慰める言葉もありません
類君は、自分を選んでくれると言う思い込みが、根深くあると思うから
だから、つくしちゃんに対して見下したような言動をするから

さてその二人は?
どうなるのでしょうね

EDIT  REPLY    
りおりお
Re: 真~様

りおりお  

2018-03-18 13:07

こんにちは

やっと類君が救出されました
そしてつくしちゃんは、側から離れません
それだけ心配なんですよね

類君も、目が覚めたらビックリでしょうね

静さんは、自分の行動を悔い改めるべきです
そして、つくしちゃんに一言謝ってほしいなぁ
まあ、悪い事をした意識は無いでしょうから、謝るも何も無いのでしょう
ただ、二度とつくしちゃんの顔を見れませんよね

もちろん、この後更なる事件が!と言う事はありませんので(笑)

EDIT  REPLY    
りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-03-18 13:10

こんにちは

司君は、つくしちゃんをおざなりにし過ぎていました
もちろん、気持ちはずっとつくしちゃんに有りました
でも、仕事優先で、、つくしちゃんをほったらかしにしていた
その寂しさを埋めたのは類君です

確かに、仕事をしながらも頻繁に連絡をしていれば、違った未来だったでしょうね
電話が無理でも、メールでもしていれば、、類君が入る混む隙間は無かったはずです
失敗でしたね

静さんは、、自分の行動を恥じるべきですね

明日もお楽しみに

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2018-03-18 16:22

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
Re: さとぴ〜様

りおりお  

2018-03-18 16:57

こんにちは〜

人工呼吸のおかげで元気になって良かったです(笑)

司くん…これでキチンと吹っ切れるでしょうね
つくしちゃんが自分のと未来の話ではなく、類君のことばかりを話す
その事に嫉妬していた
でも…実際につくしちゃんの言うとおり、類くんは偽物だった
誰も疑問に思わなかったのに、つくしちゃんだけが気付いていた
これだけで…つくしちゃんの思いの深さが分かりますからね

静さんは、最後までプライドが高かった
内心…かなり焦り、子供が出来ていたら?と、気がきではないでしょうね

類君…目覚めたらビックリでしょうね

EDIT  REPLY    
りおりお
mayumi~様

りおりお  

2018-03-18 23:33

こんばんは

静さんは、今回の件でプライドもずたずたでしょうね
今まで、自分と関係を持つ男性は、それなりの地位のある男性でしたから
それが、ヒモと言う人生を歩んできた男性
しかも、誘拐事件を起こす主犯格との関係ですからね
経歴の中に汚点を残したはずです

そして司君は、潔く退きました
もう既に分かっていたのでしょうね
ただ、つくしちゃんの勘が外れて欲しいと願っていたのでは?
有り得ない事、、と分かってはいたけど、一里の望みを持っていたのでしょう
それも砕けた今、きっぱりと諦めるしかないと、、
こちらは男らしいですね

さて、、目覚めた類君はどうするかな?
明日もお楽しみに

EDIT  REPLY    

Leave a reply