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また、明日ね

2 愛の言葉

6

牧野家を訪れた二人の前に、千恵子がお茶を置く

「類さんが、まさかあのような事件に遭っていたなんて、、あたしたちも、つくしから話を聞いた時は、信じられなくてねぇ。
この子の話を真に受けることなく、『入れ替わるはずがないじゃない』と、言い切ってしまったんですよ。
もっときちんと、耳を傾けていたら、、、と何度後悔やんだ事か」

「いいえ、、誰も入れ替わりなど想像もしていませんでしたから。 
それは、使用人にすら気づかれない程で、、俺も、後で写真を見せられた時、驚いたぐらいです。
でも、、唯一気づいてくれたのが牧野で、、俺は一生、彼女に頭が上がりません」

「いやっ、、そんな事は、、」

類の発言に、つくしは焦って言葉を告げようとするが、どう言えば良いのか分からない
確かに、誰に話しても信じて貰えず、途方に暮れていたのだから

「それと、、今回は、俺の我儘からつくしさんとの同棲を許していただきありがとうございました。 
俺が意識を取り戻したとき、彼女が俺のボディガードとしてずっと一緒にいると言ってくれ、それを逆手に取り、無理やり同棲に持ち込みました。 
ですが、決してボディガードとして傍に置いているのではありません。 
俺にとって、つくしさんはなくてはならない人であり、将来共にしたい人です。 
出来れば一年後、、彼女が大学を卒業する頃には結婚したいと思っています」

「えっ?」

つくしは、初めて聞く言葉に驚く
そんなつくしに、類は優しく微笑みかける

「そりゃそうだろ? まさか、本当にボディガードとして傍に置いていると思ってた?」
「あっ、、ううん、、」

「確かに、とっかかりはボディガードだけど、一年後にはきちんと籍を入れたいと思ってるから安心しな。 
俺としては今すぐでも良いんだけど、あんたの気持ちも大切にしたいし、、それに牧野家の気持ちもあるだろ? 
急に花沢の姓になったら、パパさんやママさんも寂しいだろうし?」

「あらっ、、私たちは何時でも良いんですよ? それこそ今すぐにでも構いませんよ? 
娘は何時か嫁ぐ物ですし、それが類さんでしたら安心です」
「そうですよ、、類さんなら安心です。 それに嫁いでも、私たちの娘に変わりはありませんから」
「うん。 僕も今すぐにでも良いよ。 だって類さんが義兄ちゃんになるんだから」

三人から嬉しい言葉を聞くことが出来、類もやっと安堵する
長女として、この家ではなくてはならない存在だったのに、無理やり離してしまった
明るくて働き者のつくしがいないと、さぞ寂しさに暮れているのでは?と思っていたし、簡単に誘拐されるような男に、不安を感じていないだろうか?とも感じていた
それらが杞憂に終わったのだから

「ありがとうございます。 そう言っていただけるだけで嬉しいです。 
その辺は、俺の両親やつくしさんと共に話し合って決めたいと思います。 
あんたもそれで良い?」

急に振られたつくしも、まさか三人から祝福のような言葉が聞けるとは思っていなかった
それに、まさか今ここで、プロポーズのような言葉を受けるとも思っていなかった
それに、三人も反対どころか賛成してくれた事が嬉しい

少なくとも、道明寺とダメになったばかりだ
あれほど玉の輿と言っていた両親の寂しさは計り知れないだろう
もちろん類もかなりのお金持ちだ
でもそう簡単に気持ちの切り替えが出来るとは思わなかった

「うん、、いろいろとありがとう。 パパ、ママ、進、、ありがとう」

「何言ってるのよ。 つくしこそ、類さんの家できちんとした生活をしなさいよ。 
ダラダラしていたら、その内追い出されるわよ」

「そうだぞ。 類さんの様な素晴らしい人が、つくしの事を好きだと言ってくださるのが今も信じられない事なんだから、、絶対に粗相はするなよ」

「まっ、類さんには、既に姉ちゃんのガサツな部分は知られているけど、家の人にはバレていないもんね。
せめて家の人の前では猫を被っておかないと、ほんとに追い出されるよ?」

余りの言い方に、つくしはプゥ~と頬を膨らませる

「あのねぇ、、」
「大丈夫です。 俺は、どんなつくしさんでも好きですから。
それに、牧野自身の良さは、俺の両親もすぐに判ると思います」

つくしがすぐさま反論しようとしたが、それに被せるような類の言葉に真っ赤になる
それは、牧野家の三人も同じようだ

こうして面と向かって『好き』と言える人物に会った事が無い
それは日本人の奥ゆかしさと言うか、照れくささなのだが、、
類はそれに当てはまらないようだ

しかも、こんな完璧な男性が、自分の娘の事を『好き』と恥ずかしげも無く告げるのが信じられない
と同時に、とにかく恥ずかしい
つまり、言葉にする愛情表現に免疫が無いのだ

「類///// あのっ///// そのっ////// 両親の前だと恥ずかしいから/////」
「なんで? きちんと言った方が安心するだろ?」
「そうなんだけどね//////」

つくしを筆頭に、牧野家の三人も照れながらモジモジとする
それを見て、類は何故牧野家が好きなのか分かった気がした

つくしと良く似ているからだ
晴男も千恵子も、面影もそうだがちょっとした性格が良く似ている

だから居心地が良く、足繁く通ったのだろう
つくしが留守の時でも、なんとなくつくしと接している気分になれたから

「パパさん、ママさん、進。 これからも、どうぞよろしくお願いします。 またいつでも家に遊びに来てください。 
もちろん、これからもこちらにお邪魔させてください」

「もちろん、、よろしくお願いします」
「何時でも遊びに来てください」
「また来てね、、類さん」

こうして無事挨拶を終えた二人は、牧野家を後にした
その表情は、正式に許しを貰えたことにより、ホッとしていた



「類?」
「ん?」

「ありがとね。 なんか、いろいろと気を遣わせちゃった?」
「いや、それはこっちの方。 同棲と言う宙ぶらりんの状態にさせてるんだし、パパさんやママさんも心配だろ? でもこれで安心した」

「うん、、そうだね」

つくしは判っている
それは、自分の為でもあるという事を

両親から了解を貰えば、堂々と類と一緒に居られる
安心して花沢邸に住むことが出来る

そして類と、、
――もっと近づける

隣の人を見上げる
すると、視線を感じた類が、微笑んでくれる

それだけで心がキュンとなる


どうして、今まで親友だと思っていたんだろう

自分の事を良く分かってくれ、そして自分の家族にまで気を配ってくれて、、
こうして不安などすべて解消してくれる人なのに

ほんと、、
鈍感ってよく言われるけど

ここまでくると天然もんだよね


今回の件が無ければ、今もあいつとの未来に不安を抱いていただろう
そして、一番大切な人を傷つけ、、、手の届かない所に行っていたかもしれない

それが、、
今こうして、幸せを噛みしめている


大切にしよう
この人を

だって、、好きだから

心から好きだと思えるから



「類?」
「ん?」


たまにはきちんと言おう
彼からの言葉に満足するんじゃなく、少しずつそれを言葉に乗せて彼に伝えたい


「好き」

たった二文字を告げる事が、凄く照れる事だと知っている
でも、伝えた言葉に満足しているあたしがいる

だって、、
きっと、、
嬉しい返事が返ってくるから


「ん、、俺も」

ふんわりとした笑顔で、そう告げる類の顔が大好きだから

そして、、
この先もずっと、その笑顔が向けられる幸せを感じているから


「綺麗な夜空だな」
「うん、、そうだね」

つくしは、空を見上げる
雲一つない夜空には、綺麗な星が見える

そんなつくしの視界に類の影が入る
と同時に、チュッとキスが一つ落とされた




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6 Comments

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2018-03-24 09:27

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2018-03-24 09:38

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りおりお
Re: ノエ様

りおりお  

2018-03-24 09:39

おはようございます

類君だからこそ、つくしちゃんの家族も気にかけてくれるんです
これが司君だったら、つくしちゃんを真っ直ぐに愛してくれるけど、つくしちゃんの家族は放ったらかしでしょう
それこそ、定期的にお金を送るぐらい?

でも類君は、つくしちゃんも好きだけど、つくしちゃんの家族も大切に思っていますから、きっとこの先も事あるごとに連絡を取るとか、こうして直接会いに来るでしょうね
そんな類君だからこそ、素直に娘を差しだせるのでしょうね
と言うか、容姿端麗、お金持ち、そしてこうして家族まで気にかけてくれる男性を、牧野家としても逃したくないでしょうね
そんじょそこらの男性でも、好きな人の家族をここまで気に掛ける人はいませんから
どちらかというと、疎遠になっていくタイプ?
つまり、、自分の親は大切だけど、義理の親はどうでも良い?ってタイプが多い!!

と、私の不安が爆発しました(笑)

牧野家の了解を改めて貰って、類君も気兼ねが無くなりました
ラブラブの二人、、これからも幸せでしょうね

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2018-03-24 10:37

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2018-03-24 12:30

こんにちは

類君は、劇的に変わりましたね
つくしちゃんだけでなく、つくしちゃんの家族まで気に掛ける
それはやはり、好きな人の家族だから、、
好きな人を産んで育ててくれた人たちだから、、

そんな風に他人の気持ちまでも考えるようになったのは、やはりつくしちゃんのおかげです
そしてそんなつくしちゃんの手を離さないように、不安を払拭するような行動ですよね
つくしちゃんが一番❤、、その気持ちから、いろんなことをやってのける類君
良いなぁ、、こんな彼氏&旦那様
なかなかいませんよねぇ

明日もお楽しみに

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-03-24 12:46

こんにちは

つくしちゃんと両想いになってからの類君の行動の素早い事!!
すぐさま同棲に持ち込み、キチンとつくしちゃんのご両親に了承を貰う
もちろん、不安が無いようにキチンと将来のプランも示しているし、、つくしちゃんの両親も、何も言う事は無いですよね
と言うより、類君なら諸手をあげて大喜びのはず

司君と付き合っている時から、つくしちゃんの家に上がり込み、家族と触れ合っていましたからね
その中で、両親や進も、類君の人柄を良く知る事が出来たし、つくしちゃんには勿体ない人と言う印象でしょう

そして、こうしてきちんと話をしてくれ、不安も何も無く娘を送り出せるのでは?

一年後と言うのは、つくしちゃんにきちんと大学を卒業させたいからでしょう
ここまで頑張って来たんですからね♪

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