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また、明日ね

8 つくしの決心

10
そして翌日の類の誕生日

今日は金曜日で、類も仕事に行く
それを、麗とつくしが見送る

「早く帰って来るから」
「うん。 シェフとケーキを作って待ってるね」

「仕事はきちんと頑張りなさいね」
「分かってる。 じゃ行ってきます」

類が出かけた後、麗もすぐに出かけた

「私も、ちょっと出かけてくるわね。 昼には戻ってくるから、一緒にランチをしましょう」
と、つくしに告げて

その言葉通り、、
麗は、ルンルンとした足取りで昼前には戻ってきた

思ったのだが、類と麗さんの顔の造りは似ている部分がある
だが、性格はまるで正反対だと感じる

それは佳代の言葉からも頷けた
女性の正体が類の母親だと分かった後、佳代が謝りに来た

『申し訳ありません。 奥様から、目配せで黙っておくようにと言われまして。 
奥様は、昔っからおちゃめと言いますか、ああいった明るいお方でして、、、
まあ、旦那様が寡黙な方ですので、それを補うような感じでして、、』

つまりは、類の性格は父親に似たのだろうと分かった
まだ見ぬ父親だが、麗さんの性格を見ていると、そんなに恐い印象は無い
でなければ、麗さんがあんなに明るく無邪気な性格でいられるはずがない
深い愛に包まれて、その隣でああして何時も笑っているのだろう

羨ましいな
あたしも、、類とそんな夫婦になりたい、、
理想の夫婦像なんだよね


その夕方、、
17時前には類が帰宅した

「ただいま」
「お帰り。 用意できてるよ」

類を連れてダイニングへ行くと、テーブルの上には豪華な料理が並んでいる
その中に、つくしの手料理と思われる数品も混ざっている

「アルコールを飲むでしょ? こんな料理の方が、食べやすいかな?と思って」
「ん、、ありがと。 じゃ、ちょっと着替えてくる」

そう言うと、類は一度部屋に戻り、服を着替える
そしてすぐに、ダイニングへ向かった

三人でテーブルを囲み楽しい食事
シャンパンで乾杯した後、ワインも開ける

「へぇ、、これが卵焼きと言う物ね。 うん、、確かにふんわり甘くておいしいわね。 あっ、これがきんぴらね。 へぇ、、少し歯ごたえがあって、、ワインにも合うわね」

麗は、それらの料理を興味深げに箸にとっては口に運び、美味しそうに味わって食べる
それを見て、つくしもホッと胸を撫で下ろす

「牧野の料理は美味しいよ。 母さんも習えばいいのに。 そして父さんに作ってあげたら?」
「それもそうね、、頑張ってみようかしら?」

その言葉に、つくしは焦る
万が一にも、火傷をしたり、手を切ったりしたら一大事だ

「ダッ、、ダメです! 何かあっては大変ですから、、」
「そう? これなんて、、卵をくるくると巻けば良いだけでしょ?」

「ふっ、、案外、奥が深いんじゃない? 不器用な母さんじゃ無理だろうな。 
それならスクランブルエッグから練習した方が良いと思うよ?」
「そうかしら?」

「はい。 まずはそれから始められた方が、、」
「そう? ふふっ、、じゃ、聡さんの為に、習ってみようかしら?」

「きっと喜ぶと思いますよ」
「ん、、だろうね。 初めての手料理って嬉しい物だしさ」

その言葉ににっこりと微笑む麗
その頬笑みは、やはり類に似ている部分がある、、と感じるつくし
そして、愛する人と自分の母親が、にこやかに同じ食卓に着く幸せを感じる類だった


そしてケーキを食べ終わる頃、麗が類の前にプレゼントを置いた

「これ、、私からね」
「ありがとう。 まさか、、この歳で母さんから貰えるとは、、」

「これでも奮発したんだから、、大切にしなさいよ」
「って事は、、時計とか?」

類は、大きさからそう告げるが、それにしては軽い

「部屋に帰ってからのお楽しみね」
「分かった」

二人は、食後揃って部屋へ戻る
麗は、その二人の背中を見つめ、、心の中で『頑張れ』とエールを贈った



部屋に戻った二人、、
つくしも隠していたプレゼントを、類の前に差し出す

「これ、、私からなんだけど、、これを選んでいる時に、麗さんに出会ったの。 それで相談しながら選んだんだけどね、、」

それは、見るからにそれと分かる箱だ
その箱には、綺麗なリボンがかかっている

「あっ、、リボンだ」
「そう。 リボンにしてくださいって頼んだから。 なんか、、私達みたいだよね?」

そのリボンは、綺麗な蝶々結びだ
その結び目を、もう一度しっかりと結ぶ
すると綺麗なハートが、出来上がる

「その話、、あきらと総二郎から聞いた。 俺達が蝶々結びみたいな関係だって言ったんだろ?」
「そう」

「それさ、、俺も思っていたんだ。 
あんたからバレンタインのチョコを貰った時、その箱に綺麗なリボンがしっかりと結ばれていてさ。 それがハートの形に見えて、、
あの時は、俺が勝手にあんたの糸に俺の糸を絡めて、無理やりハートにして、、って思ったんだけどさ、、」

つくしは初めて聞く話にびっくりだ
まさか、類も同じような事を考えていたとは思わなかった

「すごい、、偶然。 じゃあ、二人して必死に蝶々結びを作ってたって事?」
「そうなるね」

「ふふっ、、なんか、、嬉しいね。 何時の頃からか、同じように結んでいたんだね」
「だな。 きっと、互いの糸を手繰り寄せ、互いに微調整していたんだろうな」

類は、そのリボンの端を持つ

「言っとくけど、、俺達の糸は、絶対に解くつもりはないから。 解きたいと言っても、俺がボンドでくっつけてるし」
「くすっ、、それを言うなら、私なんてリボンを特殊なケースで囲ってるんだから。 綺麗なハートのまま、誰にも触れないようにね」

プッ、、
くすくすっ、、

二人は自然に笑いが漏れる
そして類は、リボンをパラリと解いた

中からは、思った通りネクタイが入っていた

「おっ、、素敵な色だね。 入社式に着けていこうっと」
「気に入ってくれた?」

「もちろん。 じゃ、次は母さんからのプレゼントを開けようかな?」
「なんだろうね?」

つくしも、類の手元を覗くように見つめる
そんな中、類は箱の包装を解いた

すると、、更に包装された箱と封筒がある
その封筒の中を開けると同時に、二人は声を上げた

「「婚姻届」」

しかも、、保証人の欄に名前がある

ひとつは、麗のサイン
もうひとつは、牧野晴男のサインだ

「何時の間に、、」
「きっと、母さんなりに心配だったんだと思うよ?」

今日、出かけたのはこのサインを貰いに行ったんだろうか?
たぶん、そうだろう
きっと麗さんも、あたしの両親にきちんと挨拶に行ってくれたんだ
あたしが安心できるように、、と

つくしは、麗の気持ちが嬉しい
こんな何も持っていない自分を、快く受け入れてくれている
しかも、、
『頑張って』と、エールを贈ってくれていると感じる


「もう一つの小箱はなんだろう? 開けるよ?」
「あっ、、」

つくしは、その中身がすぐに判った
あの時、、麗さんに相談したのは自分だ

「何?」
「えっと、、たぶんだけど、、アレだと思う」

「アレ?」
「そう、、アレ! だから、婚姻届?」
「えっ? アレ?」

類もその中身が分かった
それは、つくしが真っ赤になっている事から間違いないと感じるし、確かにアレぐらいの軽さだ

「母さん、、何を早とちりしているんだろ? 別に俺は、焦ってなんていないから。 今は、あんたとこうして恋人になり、一緒に同じ時間を過ごせるだけで幸せだから」
「えっと、、あのっ、、」

『愛情がカバーしてくれるものよ。 だから、全てを彼に任せたら良いと思うわ』
つくしの脳裏に、麗の声が聞こえる

こういう事はタイミングも重要だ
それに、、やっぱり、、好きな人と一つになりたい

「あんたにも、心の準備があると思うしさ。 嫌な事なんてしないから、、だから安心してこれからも一緒に、、」
「あたし!! あたし、嫌じゃないよ!!」

類は、理性を総動員し、必死に弁論していた
本当はやりたくて仕方ない
でも、まだまだ先だろうと考えていたし、恋人になった途端、身体の関係を持つのは盛っていると思われ兼ねない

でも、そんな類の言葉を途中で遮り、つくしが声を上げたことに類は目を丸くする
しかも、、類にとっては嬉しい言葉だ 

「あたし、、嫌じゃないよ? ただ、ちょっと自分に自信が無いだけ。 だって、あたしって体型に自信が無いから。 
むっ、、胸だって小さくて、寝ると真っ平らになるんだよ?
ほらっ、、類の過去の女性って、、凄く良い体型って言うか、、あっ、でも私は正式には一人しか知らないんだけど、、
でも、フランスから帰ってきた時も、いろんな人とキスしていたし、その後、、ねぇ?
だから、類好みの身体じゃないって言うか」

俯き、ゴニョゴニョと言葉を紡ぐのは、照れ隠しもあるし焦っている証拠だ
そして、そんな思いをさせているのは、間違いなく自分の過去の所為だ

類は、そんなつくしをギュッと抱きしめる

「俺は、、体型なんか気にしない。 それに過去の女なんて、既に俺の頭には無い。 
俺の脳裏は、あんたの笑顔ばかりで占められているからね。 
だから、、あんたが嫌じゃないなら、、一つになりたい。 
初めてだから痛いかもしれないけど、出来るだけ努力するし、、」
「うん」

つくしの小さな声が胸元から聞こえ、ホッと安堵する
そして、腕を緩め、、顎を持ち上げ可愛い唇にキスをする

もう何度も交わしてきたキス
そのキスを、少し深い物にしていきながら、、服のボタンに手を掛けた

「あっ、、ちょっ、、ちょっと待って」

やはり、、戸惑いがあるのだろうか?
やはり、、まだもう少し待ってと言われるのだろうか?

「何?」

だが返事は、類が予想していた物と違っていた

「シャワーを浴びさせてほしい。 綺麗な身体で、、類と一つになりたいから」
「///////分かった」

「じゃ、、行ってくるね」

脱兎のごとくバスルームへ向かう牧野を、呆然と見つめながら、、
ほんとにこの後、一つになれるのだろうか?と少々不安になる

だが、もう後戻りはしたくない
せっかく、、牧野から『一つになりたい』と言ってくれたんだから

類は母親から貰った小箱の包装を破く
もちろん、つくしと同棲を始めたその日に、既にそれを買っている
それでも、今日は母親からのプレゼントを使おうか?と思った

なぜなら、今日は俺の誕生日
そのお祝いなのだから、、

そして、、ネクタイも嬉しいけれど、、
つくし自身をプレゼントされるなんて、、

母親と何を話したかは知らないが、今回ばかりは、母親の存在に助けられたかも?
と思わずにはいられない類だった



そして、つくしがバスルームから出てくるのが、それから10分後
おずおずと、バスローブを羽織って出てきたつくしは、首筋が既に赤く染まり類を煽る

もちろん、、類はそんなつくしを真綿を包むように緩く抱きしめる

「愛してる。 ずっと、、ずっと、、」
と思いの丈を告げた後、、
ゆっくりそのバスローブの紐を解いた




< 完 >



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10 Comments

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2018-03-30 09:35

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2018-03-30 11:15

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2018-03-30 11:50

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2018-03-30 12:07

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2018-03-30 14:19

何とか完結しました

麗さんも、類君も、つくしちゃんには一生頭が上がりません
その気持ちが、婚姻届に現れているような気がします

つくしちゃんは、ずっと類君の傍に居て類君を見てきた
ちょっとした違いも、直ぐに分かるほどに、、

それを言いたくて、今回のお話となりました

楽しんで頂きありがとうございます
今は、、ヤフー作品の移行に追われ、作品作りはしていません
なので、もうすぐしたら更新が止まると思います

はぁ、、疲れた、、の一言ですね

コメント有難うございました

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りおりお
Re: キャ~様

りおりお  

2018-03-30 14:52

お褒め頂きありがとうございます

私自身、よくこれだけの作品を書いてきたなぁ、、と思う程です
今移行中ですけど、まだまだ沢山あって、、正直ゾッとしています
(半分は終わったかなぁ?と思っては、いるんですけどね)

赤ペン先生、、どうもありがとうございます
特に、初期の頃の作品は、誤字脱字のオンパレードで、ビックリしています
出来る事なら、全てを撤去したいぐらいです

でも、赤ペン先生のおかげで、ちょっと楽をさせて貰っています
これからもよろしくお願いします

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-03-30 14:56

麗さんも、きちんと牧野家へ挨拶に行ったのでしょうね
だからこそ、牧野パパはサインをしたのでしょう
麗さんは、家柄を見るのではなく、その人の人柄を見ますよね
だからこそ、コッソリとつくしちゃんに会いに行った
そうした所、凄く純粋なお嬢さんと分かり、麗さん自身もかなり気に入ったのでしょうね
それなら、善は急げ!ですよねぇ
同棲しているのですから、何時授かってもおかしくは無いですしね
それに、両家から認められていると判れば、類君もつくしちゃんも生活しやすいですしね

無事完結出来ホッとしています
また今後もよろしくお願いします

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りおりお
Re: まりぽ~様

りおりお  

2018-03-30 15:07

完結しました~~
ホッとしています

ホワイトデー編の冒頭は、本当に申し訳なかったです
でも終わってみれば納得だったと思います

つくしちゃんと静さんの違いを見せたくて!
あのような荒業に出ました(笑)

類君は、ずっとつくしちゃんの事を見てきました
でも実は、つくしちゃんも類君を見てきた
それは、誰も気づかないちょっとした異変も見逃さない程に!

これを伝えたくて!!

最後までご拝読ありがとうございました
また、、頑張りますね

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-  

2018-03-30 23:20

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りおりお
Re: ない~様

りおりお  

2018-03-31 00:52

無事完結しました
途中、どうなるの?
と、ハラハラドキドキする場面もありましたが、終ってみれば甘々ストーリーに❤

静さんとの格の違いが如実に表れた感じですよね

ヤフー作品の移行作業、、かなり手間取っています
誤字脱字も多いし、何故か文字の大きさもマチマチになっているんです
読者の皆様のご協力を得ながら、少しずつ進めています

恥ずかしい作品も多々ありますが、思い入れのある作品も多く、、
こうして読み返す機会を得ましたので、少しでも手直しし、攻めて誤字だけでも無くす事が出来れば、、
と頑張っています

コメント有難うございました

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