FC2ブログ

Welcome to my blog

なないろ<完>

スピンオフ

0 0

突然、ラウンジが騒ぎ始めた
その騒ぎは、F3のいる場所まで聞こえてくる

『うっそ~~~。 あの花沢さんが?』
『どこで? ちょっと見に行こう?』
『信じられない~~。 相手は誰?』

それらの声の中に、『花沢』と言う名前がある事を知り、三人は顔を見合わせる
そして同時に立ち上がり、ラウンジを出て、近くの生徒を呼び止めた

「おい! 類がどうかしたのか?」

司に腕をとられた女性は、キャッと小さな悲鳴をあげながらも、相手が司と分かりポッと頬を染める

「あのっ、、花沢さんが、中庭の桜の木の下で、、女性と抱き合って、、キスをされたそうで、、」

「はっ? 類が?」

司の驚きの声と共に、あきらと総二郎もビックリした表情で、互いに顔を見合わせる

「おい! そこへ行こうぜ」
「あぁ、、」

三人は、ダッシュでそこへ向かう
だが既に、そこには二人の姿が無い

「くっそ!! どこへ行ったんだ?」
「ちょっと電話してみるわ」

司と総二郎がキョロキョロと周りを見渡す中、あきらが携帯を取り出し類に電話を掛け始めた
だがそれが繋がる事は無い

「ダメだ、、あいつ、電話を切ってやがる」
「なら、ラインだ」

三人は、次の方法としてラインを送り始める

「おい! お前、大学の中庭でキスをしたのか?」
「抱きしめたのか?」
「相手は誰だ?」
「どこで知り会った?」
「何時から付き合ってんだよ!」
「なんで内緒にしてんだよ」
「どこへ行ったんだよ!」
「俺らにも紹介しろよ!」
  :
  :
  :

だが、それに既読の文字が付く事は無かった


「このまま、類ん家に行ってみようぜ?」
「あぁ、、帰ってくるまで待ってようぜ」
「そうだな、、」

と、三人は、類の家へ向かった



類が帰宅したのは、その日の夜だ
そして、うんざりした表情で三人を見る

「何?」

尤も、三人が此処に来た理由は分かっている
なぜなら、あの後すぐに携帯の電源を落としている

「何って、、お前、大学で抱き合っていたんだろ?」
「キスもしたんだろ?」
「相手は誰だよ」

三人も、はぐらかされては困るとばかり食い下がる
そんな三人に、深い溜息を吐きながらも、このままでは何時までも帰ってくれないとばかり、類は重い口を開く

「英徳大学一年、牧野つくし。 今日から俺の彼女。 じゃ、帰ってくれる?」

そんな簡単な説明で、引き下がる三人では無い

「一年? 牧野つくし? 誰だそれ?」

三人は、その名前に覚えは無い
もちろん、どこかの令嬢ではない事は分かる

「誰って、、俺の彼女!」
「どこで知り会ったんだよ!」

類はその質問に、視線を上にあげ、、、
暫らくした後、口を開いた

「前世?かな?」

前世・・・・
訳の分からない事を言うのは何時もの事
だが、今回ばかりは、そんな言葉で、はぐらかされたくないと三人は尚も食い下がる

「お前、、いい加減にしろよ!」
「そうだぜ! きちんと説明しろよ!」
「何で俺達にまで内緒にするんだよ!!」

そう言われても、類も何と答えて良いか判らない
ただ、このままでは帰ってくれそうにもない

「じゃあ、、、一目惚れ?
牧野を見た時に、体に電流が走りドキドキが止まらなかった
だから、、その気持ちに正直に行動しただけ、、
じゃ帰ってくれる? 俺、、もう寝たいからさ」

「一目惚れ? お前がか?」
「どんな子だ? お前が一目惚れする相手ってさ」
「美人なのか? だから目に留まったのか?」

何を言っても、一向に帰る素振りを見せない三人に、類は溜息しか出てこない

「抱き合ったのか?」
「キスしたのか?」
「おい! どうなんだよ!!」

掴みかからんばかりに、鼻息荒く聞かれ、類もほとほと困る

「ん~~、、結果的に、そうなるかな?」
「一目惚れして、、その場で抱き合う? キスをする? お前がか?」

三人は、信じられないと言う表情で類を見る
確かに、、そう思われても仕方ない行動だったと類も思うが、何故かやりたかった
それは、牧野も同じだったと言う
そんな不思議な出来事を、三人に話しても信じて貰えないと思う

「確かに、、抱き合ったよ? キスもした。
って言うか、、抱きしめたかった、、キスしたかった、、だからしたってだけ」

その言葉に、三人はキツネにつままれた表情をする

「場所を移すぞ」

今帰宅したばかりだと言うのに、司に腕を掴まれ、類は引き摺られる

「あのさぁ、、俺、、寝たいんだけど?」
「そんな事はどうでも良い! 俺様に、事細かく教えろよ!
その、、一目惚れ?って言う感情をよぉ!!
一目惚れすると、、抱きしめたくなるのか? キスしたくなるのか?」

なるほど、、
司は、一目惚れと言うものに興味が有るのかもしれない
これから先、自分で女性を見つける為に、、

「どんな女性なんだ? その辺を詳しく教えろよ」
「お前の目に留まった女性だろ? 一体どんな女なんだ?」

なるほど、、
あきらと総二郎は、俺の女性観に興味が有る?
まっ、、二人が好む女性じゃない事だけは確かだよ

仕方ない、、
このままだと、何時までも付き纏われるだろうし、牧野にまで迷惑がかかるかもしれない
話せるところだけでも話しておこうか?
もちろん、、「俺達の事は放っといて」と、ビシッと言ってやろう


類は、渋々司の車に乗り込み、メープルへ向かう
その車内で、携帯が振動を始める
そこには、つくしからのラインが、、

『今日は、ごちそうさまでした。
お礼に、明日はお弁当作ろうかな?って思ってます。
食べるかな?』

お弁当、、
牧野の手作り?
なんか、、凄く嬉しい

それに、先程まで一緒に過ごした楽しい時間が、リアルに思い出され、類のニヤニヤとした顔が止まらない

その表情に、三人は唖然とするほどだ
これ程の笑い顔を見た事がない
と同時に、すごく良い恋をしているのが判る

類は、直ぐに文字を打つ

『食べたい! お弁当!!』

文字を打つと、直ぐに返信が返ってくる

『分かった。 楽しみにしててね』

くすっ、と笑い声を洩らし、類は文字を打つ

『ん、、楽しみ』


その表情と行動を、三人も興味津々で見ている
あのものぐさな類が、、チマチマと携帯を弄っている
俺達のラインになんて、目も通さないくせに、、
それに、、すっげぇ嬉しそうな表情をして、、
すっげぇなぁ、、

―――恋をすると、、ここまで変わるのか


そして、、
羨ましくて仕方が無かった


――俺も、、恋がしてぇ




< 完 >


急遽、スピンオフを
F3は、きっと類君を必死に探しているだろうな、、と思っていたので




関連記事
スポンサーサイト



0 Comments

There are no comments yet.

Leave a reply