FC2ブログ

Welcome to my blog

なないろ<完>

49 心が叫ぶ

0 0

4月、、

英徳大学、F4ラウンジ
4人は、今年度のカリキュラムで悩んでいた

あ「なあ、、今年度のカリキュラム。どの程度入れる?」
総「俺は、二限目から四限目辺りをまんべんなく、、かな?」
司「俺も、、朝早ぇのは、しんどいしよぉ」

あ「でも一限からビッシリ入れて、その分、数日休みの日を作るってのも良いんじゃね? なあ、類!」
類「ん~~。 朝早いのはもうヤダ! 二限目以降のカリキュラムにする」

司「だよな。 しかしお前、去年は頑張ったよな」
類「まあね。 その分、今年は楽させて貰うよ」

あ「まあ、テストさえ出来ていれば、単位はくれるしな」
類「ん、、じゃ俺はもう帰るからさ」

総「おい! この後、遊びに行こうぜ」
類「やだ! 帰って寝る」

類は立ち上がり、三人にひらひらと後ろ手を振り、ラウンジを後にした
そしてまっすぐ駐車場へ向かって歩いていると、いきなり一陣の風が吹き抜けた

「きゃっ」「うわっ」

周囲の人の叫び声、、
ザワザワと木々の枝は大きな音を立て、桜の花びらが宙を舞う

咄嗟に類は、目を閉じその場に立ち止まる
そして風がおさまったのを感じ、ゆっくり目を開けると、金縛りにあったように身体が動かない

周囲には大勢の人がいる
だが、、類の視線は数メートル先の桜の木に釘付けになった

ドキドキと激しく鼓動が打ち付ける
そこには、後ろ姿だが黒髪のストレートの女性が立っている

(あの女、、どこかで会ってる?)

ジッと見つめる視線に気が付いたのか、女がゆっくり振り向いた

類「あっ、、」

雷に打たれたような衝撃が走る
そして心が叫んでいる

――心で感じろ!!

一歩、、また一歩、、ゆっくり近づく

(どこかで会ってる。 絶対にどこかで。 どこだ?)

段々と足が加速する

(絶対にどこかで会ってる。 そして、、)

類は、数十メートル手前でピタリとその足を止め、両手を大きく広げた




綺麗なボタン桜に見惚れていた

(この桜を見たような気がする。 でもどこで? ここ英徳だよ? でも、この中庭も校舎も、何故か見覚えがある。 なんでだろう? こんなお金持ち大学なんて、あたしには無縁の場所なのに、、)

すると突然、一陣の風が吹き抜けた
咄嗟に目を瞑る

そして目を開けると、何処かから視線を感じ、それを探すようにゆっくりと振り向いた
すると、数メートル先の男性と視線が絡む

途端、金縛りにあったように動けず、ドキドキと心臓が音を立てる

(カッコ良い人、、でも、それだけじゃない。 どこかで会ってる。 でもどこで?
英徳に知り合いなどいないはずなのに。 でも、、誰かが告げている)

――心で感じろ!!

一歩、、また一歩、、ゆっくり近づく

(どこで会ったんだろう? 分からない。 思い出せない。 でも、、でも、、)

だんだんと、足が加速する
そして、、広げられた男性の胸に飛び込んだ!


「きゃー」
と、周りから悲鳴が上がるが、当の二人の耳には届かない


類は、自分の胸に飛び込んだ女を、ギュッと抱きしめる

(なぜだろう? ずっとこうしたかった、、と言う感情が湧きあがる。)

類は、ゆっくり視線を下ろす
そこには、真っ黒な髪の華奢な女性の頭が見える

(この感触、、まるで覚えが無い。 でも確かに、抱き合った事がある。 
この見知らぬ人と、、)

つくしは、ゆっくり顔をあげる
そのビー玉の瞳に吸い込まれそうになる

(この人は、、誰だろう?)
(こいつは、、誰だ?)

つ「あっ、、あのっ、、」
類「名前、、君の名前は?」

つ「牧野つくし! あなたは?」
類「花沢類」

互いに名乗り合っても、その名前に覚えは無い
だが、懐かしさを感じる

そして、、心のドキドキが止まらない

類「あのさ、、付き合おう? 
  今、初めて会ったんだけど、ずっと知っていると言うか」
つ「そう! そうなんです! 初めて会った気がしないと言うか」

類「何故か判らないけど、、あんたを見た時から『心の中で感じろ!』って、そう告げられているって言うか、、」

それを聞き、つくしは目を見開く

つ「同じ! 私も『心の中で感じろ!』って誰かに言われて、、」

それを聞き、類も目を見開く

類「くすっ、、前世であったのかな?」
つ「どうなんだろう? でも、こうして抱きあった事がある気がする」

照れながら、見上げるつくし
その可愛い表情に、類も頬を染める

そしてなぜか、ホッとする安堵の感情が湧いてくる

類「まずは、、互いの事を話そうか?」
つ「うん、、、」

類「でも、、ちょっと待って」
つ「ん?」

類は、顔を傾け、見上げるつくしの唇にそっと自分の唇を重ねる

――キスしたい。自分の唇で
―――キスされたい。あたしの唇に

再び、周りからは「きゃ~~~」の悲鳴が上がる


ゆっくりと唇を離すと、そこには真っ赤なつくしの顔が見える

類「なぜか、、キスがしたくて////」
つ「/////うん」

類「じゃ、、行こうか?」
つ「うん」

類の差しだす手を、つくしはそっと握る
その手の感触、、初めて感じる感触なのだが、違和感は全く感じない

――ずっと、こうしたかった


類「くすっ、、」
つ「ふふっ、、」

二人は顔を見合わせ笑いあう
そして、桜の舞い散る中、共に歩き始めた



< 完 >



最後まで読んで頂き、ありがとうございました
二回目の花畑、、二人は今までの記憶を失くしていましたが、それは神様が焦っていたから。
普通なら、こんな事許されませんからね。
心と体を入れ違えるなんて!
って事で、リセットするために、全ての記憶、周りの人の記憶も全て消去した
って感じです

と言うのは建て前で、、
ほんとは、このエンドを描きたかったからなんです
その為には、二人の記憶を消さなければ、、じゃあ周りの人も?
で、こじつけただけです(笑)

そして最後、、二人はキスをしました
自分の身体ですから、抱き合う事も、キスする事も、手を繋ぐ事も初めてなんですよね

そして今回は、実に難しかった
入れ替わっている時の言葉の表記、動きなどが。

何とか最後まで完結出来、何時もの如くホッとしております
ありがとうございました


りおりおblog_import_5a906de290c2c.gif

関連記事
スポンサーサイト



0 Comments

There are no comments yet.

Leave a reply