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なないろ<完>

41 ニヤリ

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吊り橋の先には遊歩道、そのすぐ先には、ごつごつとした岩場があったりと、起伏が激しい所もある
だが景色はとても良い

二人は、何度も立ち止まり、波が岩場に当たる様子を眺めていた
そこにやっと司達が追いついた
後を見るが、女性達は来ていない

司「お前らなぁ、、待て!って言っただろ?」
類(つ)「ごめんごめん。 それより、ちょっとあそこから海に降りてみよう?」

司「はあ? 海?」
類(つ)「そう。 あそこから降りられそうだから」
と、告げると、類とつくしは海岸へ降りて行く

その二人の後を、司が追おうとするのを、あきらが止める

あ「おい司! 二人っきりにさせてやれよ!」
司「は? 何でだよ!」

あ「お前なぁ。 俺達はお邪魔虫なんだよ!」
総「そう言う事! 海岸沿いを歩くって言うのは、カップルの定番だろ?
  類の奴、ムード作りをしようとしてんだよ!」

あ「ここでムードを高めて、今夜こそ、甘い一夜を、、って狙いだろ?」

それを聞き、司は吐き捨てるように告げる

司「けっ! そんなに上手くいくはずねぇよ!
  確かに仲が良いのは分かるけどよぉ、、お前らみてぇに、身体の関係を持ちたがっているようには見えねぇしよぉ」

あ「だよな、、多分、つくしちゃんの事が大切すぎて、一歩が踏み出せねぇんだろうなぁ」
総「でも類の奴は、やりたくて仕方ねぇんだよ! 
  上手いキッカケ作りを模索しているんだろうなぁ」

あ「だから今夜、類のその思いを叶えてやろうぜ?」
司「あのなぁ、、叶えるも何も、、類の奴、理性が強いって言うか、
  同じ部屋で寝てんのに、手が出せねぇじゃねぇか!」
と、呆れた口調で告げる

すると、あきらと総二郎は、ニヤリと口角を上げる

あ「こうなるかと思ってな、、実はバイアグラを持って来たんだよ」
司「バイアグラ~~?」
と、素っ頓狂な声を上げる

その司の口元を、総二郎がサッと塞ぎ、周りをキョロキョロと見渡す

総「バカ! あいつらに聞こえたら、計画が台無しだろうが!」
司「あっ、悪りぃ、、」

あ「類の奴も、体が反応すれば、理性を失うかも知れねぇだろ?」
総「そうそう。 それに、つくしちゃんの方も、満更でもないんじゃね?
  高三だし、そろそろ身体の関係を持ってもおかしくねぇだろ?
  でも、類の奴が行動しねぇもんだから、自分からは言えねぇのかもよ?
  だから俺達で、類の背を押してやるんだよ!」

そう言いながら、あたかも親友の恋路の為に、一肌脱ぐと言った感じで、胸を張る

司「まあ、、あいつら仲が良いし、、そうなるのも時間の問題だろうけどよぉ」
あ「そう言う事! 俺もあの二人の様子を見ていたけど、凄くお似合いだし、類の奴が良い顔してるしよぉ」

総「あっ、、司! お前もしかして、、今夜は自分一人、寂しい夜になりそう
  だから、困惑しているのか? なら、誰か連れて行けよ」

その言葉に、司は真っ赤になる

司「ばっ! バカ野郎! 別に寂しい訳じゃねぇよ! 
  ただ、勝手な事をして、類の奴に怒られねぇか?、、ってだな」

あ「感謝こそすれど、怒られはしねぇよ!」
総「そうだぜ! 年頃の男性の、健全な生理現象なんだしよぉ」

そう言われれば、そうかも?と、司もそれ以上何も言えなくなった

(なんか、、あの牧野って女を見てると、類の奴が羨ましくなるっつうか。 ずっと二人を見ているが、あいつらホントに仲良いし、俺が横恋慕する訳にもいかねぇ。 それなら、しっかり身体も繋がった方が、、俺も諦めがつくかもしれねぇなぁ)


類とつくしは、二人で海沿いを歩く

類(つ)「あっ、、この海が狭間の入り口かも? ちょっと触ってみよ」
と、近寄る

だが、波が行ったり来たりと、全然止まってくれない

類(つ)「ちょっと、中に入ってみる」
と言うと、靴と靴下を脱ぎ、ズボンの裾を捲り始めた

つ(類)「気を付けな! まだ冷たいよ?」
類(つ)「うん、、」

そう返事をしながら、ゆっくり海の中へ入っていく
そして、くるぶしぐらいが浸かる位置で、腰を屈めそっと手で表面を撫でる
しかし、、何も映らない

諦めて海から出ようとした時、海中に細長い巻貝を見つける

類(つ)「あっ!!」

その大きな声に、つくし(類)もエッ?と期待を胸に声を上げる

つ(類)「入り口だった?」

類(つくし)は、海中からそれを手に取り、クルッと振り向く

類(つ)「見て! 貝があった!!」
つ(類)「貝?」

類(つくし)は、ゆっくり海から上がり、つくし(類)の目の前で、掌を広げ見せる

類(つ)「ほらっ、、細長い巻貝。 凄く可愛い」

(確かに、、小さくて可愛いけど、、こういう物で喜ぶなんて、、俺の近くにはいなかったよな。 しかも、海中から拾うなんてさ。 でも、俺はこんな感覚の女性が好きだな)

つ(類)「ん、、可愛いな」
類(つ)「でしょ? もう一個ないかな? 
     そうすれば、一個ずつ記念に持って帰れるのにね」

(普通なら、土産物屋で何か買おうとするけど、こうして自然の中で見つける物の方が、記念になるし忘れられない思い出だよな)

つ(類)「もう少し、波打ち際を歩いてみようか?
     でも、見つからなければ、それはあんたが持っておきな」
類(つ)「うん、、分かった」

類(つくし)は、ハンカチで足を拭き、靴下と靴を履いた後、ゆっくり波打ち際を歩く
そして、桜貝を見つける

つ(類)「あっ、、」
類(つ)「可愛い、、」

類(つくし)は、その貝を拾う

類(つ)「さくらいろで、、可愛い」
つ(類)「ん、、可愛い色だな」

類(つ)「ふふっ、、記念の品が出来たね」
つ(類)「だな、、」

こうして、二つの貝を手に、F3の元へ戻る
そして灯台での景色を堪能した後、元来た道を戻るのだが、、
吊り橋では、やはり司がストッパーとなり、大行列となった





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