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狂い花<完>

30 真実

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翌日の土曜日、、
昼頃、あきらと総二郎はつくしのマンションを訪れた

ピンポ~ン
ピンポ~ン

「おい、、まだやりまくってねぇよなぁ?」
「もう昼だぜ? 月明かりもねぇし、終わってるだろ?」

「って事は、、疲れ果ててぐっすり寝ているとか?」

あきらは、携帯を手に類にかけ始める
そして総二郎は、相変わらずつくしの部屋のインターホンを押した

すると、、
やっとインターホンにつくしが出た

『はい、、』

その声は、たった今起きたばかりと言うような、寝ぼけた声だ

「おっ! 牧野か! 俺だ! 総二郎!! ちょっとここ開けてくれ」
『えっ? こんな朝から?』

「ばか! もう昼だよ! 類もそこにいるんだろ? 大切な話なんだ
とにかく、、聞いてくれ」
『もう、、、何? 類ならまだ寝ているから、後にしてくれる?』

「そんな悠長な話じゃねぇんだよ! とにかく今すぐここを開けろ!」

総二郎は、少しきつい口調で告げる
その声色に、やっとつくしも開ける気になったようだ

『ちょっと待ってくれる? 類を起こすから、、』

そう言われ、更に15分ほど玄関の前で待った
そしてやっとそのドアが開かれた


ガチャンッ

施錠を開ける音がした途端、二人はドアを勢いよく開けた
そこには、昨日よりやつれた類の姿が目に飛び込んだ

「何? こんな早くから、、」
「ばか! もう昼だって言うんだよ! それより上がらせてもらうぞ」

二人は、類の返事を待たず、部屋の中に入る
そして真っ先に出窓へ向かう

そこには、真っ赤な花が生き生きと咲き誇っている
そして、昨日確かに見た蜜の様な液体は、どこにもない

「あれっ? 牧野は?」
「あぁ、、洗濯? すぐに来ると思うよ?」

何気に洗濯と告げる類だが、二人には、昨日の激しさが手に取るようにわかる
キッチンテーブルの上には、昨日食べかけたままの料理が置かれたままだ
奥のベッドには、シーツが取っ払われている事から、そのシーツを洗っているのだろう

「これ、、片づけるわ」

あきらは、とりあえずテーブルの上の料理を片付け始めた
その時、つくしが戻ってきた

「あっ、ごめん。私がやるから、、」
と、つくしもすぐに手伝い始める
その二人を見ながら、総二郎は類に聞いてみる

「なあ、、俺達が何時帰ったか覚えているか?」
「さぁ? ここにきて一緒に飲んでいたことは覚えているけど、、」

ある程度予測はしていたものの、類の言葉を聞くと、どうしても信じられない気持ちになる

テーブルが片付いたところで、つくしはコーヒーを淹れ、テーブルの上に置いた

「インスタントなんだけど、、
それに、片づけまで手伝って貰ってごめんね」
「それで、、何の話? 俺達、今日はゆっくりしたいんだけど、、」
と、類はせっつく
それくらい、二人が邪魔なのだろう

その意図が汲み取れ、あきらと総二郎も内心苦笑するものの、とにかく話を聞いてもらわねば、、と話し始める

「あぁ、、大切な話なんだ。 ちょっとあの花をここに持ってきても良いか?」
「別にいいけど?」

あきらは、つくしに断り、出窓にある花をテーブルの上に置く
そして、持参していた紙を二人の前に見せた

「これを見てくれ。あの種を包んでいた紙の文字を、翻訳したものだ」

その紙を、二人は覗き込む

「へぇ、、『なき花』って言うんだ。 別名『狂い花』って聞いたことないね」
と、つくしは類を見て呟く

「へぇ、、愛を導くのか。
しかも未来永劫幸せに暮らせるなんて、凄く良い花だな」
類もつくしを見て、嬉しそうに呟く

その二人は、幸せそうにふんわりと微笑みながら、

だがその二人に、やはりゾクッとしたものを感じるあきらと総二郎は、意を決し真実を告げる

「お前ら、、ほんとに昨日の事を覚えてねぇのか? 
俺達が何時帰ったか、まるっきり記憶にないのか?」
「あぁ、、全くないけど、、いつ帰った訳? 
せめて一言ぐらい挨拶があっても良いんじゃない? 
だって、あきらの方からここに来る、、って無理やり来たんだからさ」

類の口調から、やはり何も覚えていないようだ
その事実が、この花の効力を物語っている

「あのな、、昨日、、突然お前らが愛し始めたんだよ!」

総二郎の言葉に、二人は目を丸くする

「突然、この花が香り始めて、、そうしたらお前らがここで、、
俺達の前で、、激しいキスを始めたんだよ!!」

「ここで? お前らの前で?」
「二人の前で? 激しい、、キス//////」

類は信じられないと言う顔を
つくしは、恥ずかしすぎて真っ赤になっている

「何度呼びかけても、お前らは目もくれず、互いの世界に入り込んでいったんだよ」
「お前ら、、昨日、そういうことしたんだろ? その記憶はあるか?」

確かに、昨日も激しく愛し合った
おかしいぐらい、、愛し合った
その記憶はある

「あぁ、、愛し合った」
類は、その事実を認める

こういうデリケートな事は、本来なら言葉を濁すべきだが、二人の目の前で始めたという事が信じられない為、真実を告げる

「良いか、良く聞けよ。この花は、チリの先住民の門外不出の種らしい。
そして、メス種とオス種がある。これは、メス種の方だ」

あきらの説明に、二人は真剣に耳を傾ける
その様子に、あきらは話しを続ける

「お前ら、偶然にも二人でこの種を植えたんだよな?」
「あぁ、、俺が土に穴をあけて、牧野が種を入れて土をかぶせた」

「偶然に二人で種を植えたことで、この花は二人が愛するよう導いたんだよ
あのな、、お前ら、実はこの種を植える前までは、友人同士だったんだ」

「「えっ?」」

「牧野、、お前は、司と付き合っている」

その言葉に、つくしは目を見開く
そして、類の方を見て不安なまなざしを見せる
その視線を受け、類は確認を取る

「ほんとに? 冗談って事は無いよな?」

「あぁ、、本当だ。でも、お前は、ずっと牧野の事が好きだった。
でも司に遠慮して、ずっと親友を貫こうとしていたんだよ」
「だが、この種を植えたことで、それが狂った訳だな」

あきらの言葉に追随するように、総二郎がその先を話し始める
そして、更に真実を話し始めた



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