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狂い花<完>

25 惑わす花

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あきらは、類と別れた後、その足で大学へ向かった
もちろん、つくしの様子を確認するためだ

すると、、廊下を歩いているつくしを見つける

「まき、、、」

呼び止めようとしたあきらは、その言葉を失くす

元々華奢なつくしだが、
服から出ている手足は、透き通るような白さがあり、艶のある黒髪がサラサラと揺れている
そして、ほんのりピンク色の頬と赤い唇が印象的で、、
すごく綺麗になったと思う

恋する女性は綺麗になると言うが、まさにその言葉通り
いや、それ以上に感じる
それに、神々しいというか、厳か、、と言った印象もある

あきらは深呼吸し、つくしに声をかける

「牧野!」

あきらの声に、つくしはパッと視線を上げる
その姿に、あきらは息を呑む

――綺麗だ


「美作さん? どうしたの? スーツを着て、、」

つくしの言葉に、ハッと我に返るあきら

「いや、、ちょっと用事があってな」
「ふふっ、、スーツ姿の美作さんって、、レアだね」

ふんわり笑うつくし
その笑顔を見て、、これが総二郎の言っていた笑顔か、、とすぐに感じた
それぐらい、類の笑い方に似ている

「だろ? でも、後一年もすれば、ずっとこうした格好になるんだけどよ」
「だね」

「ところで、さっき類の会社にも行ったんだけどよ。 
そこで惚気を聞かされてよ」
「えっ? 惚気?/////」

つくしは、ポッと頬を染め、『惚気』の相手が自分であると確信を持っているのが分かる
その表情に、あきらは信じられない思いだ

「最近、、類の奴、お前の部屋に泊まり込んでいるんだって?」
「うん」

否定することなく、微笑みながら肯定するつくし、、
やはりその姿が信じられない
今までのつくしなら、あれやこれやと理由をつけ、肯定も否定もしない
ただ、嘘がつけない性格から、ところどころに肯定と取れる雰囲気だったり言葉尻だったりを感じていたのだが、、

「やり過ぎは体に禁物だ!って言っといたけどよぉ」
「もう!////」

「でも、、あいつの表情は、凄く嬉しそうだったわ。
愛を注いでるって言ってよぉ」
「うん、、愛されてるって感じる。ふふっ、、」

嬉しそうに告げるつくし
確かな愛が育っていると感じる

元々、類が一方的に好きだった
でも、こうして二人を見ると、これはこれで良かったのでは?とも思えてくる

そしてもう一つの疑問点である、花について確認する

「あのよぉ。司に貰った花の事だけどよ。
あれ、一輪だけしか咲いていないよな?
他に蕾とかついていないのか?」
「うん。 他に蕾は無かったよ」

やはり、司の花とは別物だと分かる

「牧野が撮った写真は、白い花びらだったんだけど、類が撮った写真は、赤い花びらなんだけど、、一夜にして花びらの色が変わったのか?」
「そうみたい。変わった花だね」

「あの花は、どんな匂いなんだ? お前が帰宅したときも、香ってるか?」
「ううん、、夜になると、香るかな? 甘い、何とも言えない香り?」

「へぇ、、」
「美作さんってば、そんなにあの花に興味があるの?」

「あぁ、まあな。ほらっ、俺のおふくろは大の花好きだろ?
どこかで売っていたら、買ってやろうかな?と思ってさ」

と、当たり障りのない事を告げる

「そうだね。夢子おば様だったら、きっと喜ぶんじゃないかな?」
「他に、あの花に関して、何か変わったところはねぇか? 
ほらっ、育てる時の苦労とか、水のやり方に注意する点があるとか、、」

「特にないと思う。あれ? そう言えば、、蕾が出来てから、水を上げたかな?
元々、観葉植物系かな?と思っていたから、ほとんど水はあげてなかったんだけど、、
でも枯れていないし、、
出窓に置いているんだけど、日中はカーテンを閉めているからかな?」

蕾が出来てから水を上げていない?
普通、枯れるだろ?
それどころか、綺麗なみずみずしい花を咲かせていた
いくら日中、遮光しているといっても、、あきらかにおかしいだろ?

「じゃあ、、一日中カーテンは閉めっぱなしか?」
「ううん、、帰ってきてカーテンを開けるよ?」

夜にカーテンを開ける?

「普通、夜は閉めるだろ? なんで開けるんだよ」
「空気の入れ替えをしたくて、、」

なるほどな、、
確かに、日中のこもった空気の入れ替えの為に、帰宅後少しは窓を開けるか?

そういえば、、
なんで、毎日類が牧野のマンションに行くんだ?

愛し合うなら、別に類の家でも良いよな?
なんでだ?
ただの偶然か?

それとも、、

「なあ、、その花って、俺と総二郎にも見せてくれねぇか?」
「えっ?」

「やっぱり、直接見て見てぇしよぉ。あんな綺麗な花は見たことがねぇし、、
なっ、、良いだろ?」
「でも、、」

「そうだ! 俺らが夕食を持って行くから、たまにはお前も家事を休めよ
大学とバイトと、類の世話で疲れてんじゃねぇ?
なんか一回り痩せてるぜ?って事で、、今夜行くからよ!
類にも、きちんと話をつけておくからよ」
「ちょっ、、ちょっと、、」

「じゃあな!」

あきらは、半ば強引に告げた後、つくしの困った声を無視し、さっさと帰りはじめる

とにかく、直接その花を見て見たい
そして、どんな香りか確かめたい

二人を惑わすその花を、自分の目で確かめたい


あきらは、駐車場に向かいながら総二郎に電話をする

「総二郎か? 今夜、牧野のマンションに行ってみようぜ、、、」



あきらの目の前には、青空が広がっている
綺麗な綺麗な青空が




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2 Comments

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2018-03-23 08:12

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りおりお
Re: てる~様

りおりお  

2018-03-23 12:56

ほんとだ。 24話アップしました。 ありがとうございます

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